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令和6年版 男女共同参画白書 (109 ページ)

公開元URL https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/pdfban.html
出典情報 令和6年版 男女共同参画白書(6/14)《内閣府》
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3 女性活躍とフェムテック

COLUMN

女性は年齢によるホルモンバランスの変化とともに、特有の健康課題がある。代表される

特集

ものに、月経関連症状、更年期症状がある。中でも、月経に関しては、個人差はあるものの、
おおよそ 12 歳から 38 年間の付き合いとなり 、多くの女性が月に1回、3日から1週間にわ
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たって、月経及び関連症状に悩まされている。この悩みの根源は、月経によって引き起こさ
れる子宮収縮に伴う痛み・貧血、経血漏れへの対処、経血に伴う不快感など実に様々である。

仕事と健康の両立~全ての人が希望に応じて活躍できる社会の実現に向けて~

月経は、女性にのみ起こる生理現象であり、その不調の程度も人によって異なる。我が国で
は社会的・文化的背景から、月経につらい症状が伴っても、自身で我慢し対処すべきことで
ある、他人や異性に知られることは恥ずかしいことである、と女性自身も捉えがちである。
女性が、月経のような健康課題と付き合いながらも、社会で更に活躍し続けるために、何が
必要だろうか。
本題に入る前に、女性特有の健康課題の社会的なインパクトについて確認してみる。経済
産業省によると、女性特有の健康課題による労働損失等の経済損失は、社会全体で年間約 3.4
兆円と試算されている 。我が国においては、令和5(2023)年時点で、就業者数の 45.2%
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が女性 であり、多くの女性の共通の悩みは、いまや社会全体の課題といえるだろう。
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また、社会は、有償労働だけでなく、無償労働によっても支えられている。女性特有の健
康課題によって、仕事のみならず、家事・育児・介護や地域活動等、社会活動全般にも影響
があると思われる。
近年、女性の健康課題における解消策の1つとして、
「フェムテック」と「フェムケア」が
注目されている。
「フェムテック」とは、
「Female(女性)
」+「Technology(技術)
」の造語で、生理や更
年期など女性特有の悩みを先進的な技術で解決することを指す。
例えば、月経周期管理アプリでは、月経周期の把握により、自ら快適に過ごすための準備
や対処が可能になる。オンラインによる健康相談や婦人科受診では、受診までの時間が節約
できるほか、受診への心理的ハードルも下がるなど、女性の健康課題解消の一歩となる。
一方、
「フェムケア」は、特定のテクノロジーによらず、様々な方法で女性特有の健康課
題をケアする製品・サービスの総称である。
フェムケア製品が発揮する効果の具体例の1つとして、デリケートゾーンに直接挟んで使
用する経血漏れ防止に特化した製品を紹介する。月経は、一般的に月経開始後の2日目が最
も経血量が多いとされており、女性は対策として、月経専用のサニタリーショーツの利用、
経血量の多い日用の大型ナプキンの装着やこまめな交換などを実施しているが、経血量の多
さやナプキンのずれにより、経血が漏れて衣類等を汚してしまうことが少なくない。それが、
このフェムケア製品を活用すると、デリケートゾーンに密着するため、アクティブなスポー
ツをしても、自転車に乗って強くペダルを漕いでも、経血が漏れにくい。また、ナプキンと
1 厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」
2 経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について(令和6年2月)」
3 総務省「労働力調査(基本集計)


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