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令和6年版 男女共同参画白書 (103 ページ)

公開元URL https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/pdfban.html
出典情報 令和6年版 男女共同参画白書(6/14)《内閣府》
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従来の仕事と家事・育児等の両立支援を健

護に直面する前の早い段階から、介護に関す

康の視点で捉え直してみると、仕事と健康の

る知識を習得し、仕事と介護の両立支援制度

両立が難しい職場環境では、労働生産性の低

に関する情報を得ておくことも重要である。

下や離職 といった課題が顕在化しやすく、

家族の介護が必要となった場合、介護の期間

女性の登用も円滑に進み難い。

は長期間にわたることが多く、また、育児と

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とは、男女ともに、自らの理想とする生き方

る状態になる場合が多い。持続可能な介護の

を実現し、活躍する上で重要なことである。

ためにも、早くからケアマネジャーの役割や

そのためには、働き方やその背景にある企業

利用できる介護サービスを含めた知識の習得

文化も職員の健康に配慮したものにシフトし

が必要となっている。

仕事と健康の両立~全ての人が希望に応じて活躍できる社会の実現に向けて~

は異なり、時間の経過とともに、負担が増え

特集

本人や職場が一人一人の健康に配慮するこ

ていくことが重要であろう。
(仕事と健康の両立のために)
(自らの健康維持のために)
これまでみてきたとおり、健康は、自らの

仕事と健康の両立のために、職場では次の
ことが重要になってこよう。

理想とする生き方を実現する上で重要な基盤

1つ目は、女性と男性それぞれの健康課題

となるものであり、全ての人が、健康課題に

に関する研修・啓発等の実施である。第1節、

対する正しい知識を習得し、自らの健康増進

第2節で確認したとおり、男女ともに様々な

に自発的かつ積極的に取り組めるようにす

健康課題が存在する。健康に関する正しい知

ることが重要である。人生 100 年時代にお

識を習得することが、働きやすい職場を構築

いて、健康でいられる期間をできるだけ延ば

するための第一歩であり、特に職場のマネジ

すために、若い頃から、自らの健康と向き合

メントを行う管理職にとっては必須である 。

い、健康増進に取り組む必要があり、定期的

部下が健康課題を抱え、隠したままで業務を

な健康診断等の受診や適切な通院等による

遂行することは、本人の労働生産性の低下は

疾病の早期発見、早期治療が重要となる。

言うまでもなく、周囲にも影響を及ぼす可能

働いていない人や、パートやアルバイトな
どで働いているため、勤務先での定期健康診

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性がある ほか、組織としての急な休暇・欠
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勤リスクを増大させることになる。

断の受診機会がない人は、市町村や学校等が

また、現在はまだ、管理職が男性であるこ

実施する健康診断等の機会を活用し、結果を

とが多いため、月経に伴う不調や女性に多い

健康管理に生かすことが重要である。

更年期障害、働く世代に多い女性特有の病気

また、若年層においては、自分の将来を考

や不妊治療に関する部下の悩みを理解するこ

え、妊娠の計画の有無にかかわらず、妊娠・

とは難しい 。さらに、女性特有の健康課題は、

出産の知識を持ち、自分の身体への健康意識

個人差が大きいため、同じ女性であっても、自

を高めること(プレコンセプションケア)も

身の健康課題が無い又は症状が軽い場合には、

必要である。

周囲の女性の深刻な不調や健康課題に関わる

さらには、将来の家族の介護に向けて、介

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悩みを理解することが難しいケースもある。

40 調査によると、働いたことがあり「健康でないと思う」者の中では、女性 23.2%、男性 23.9%が「就いていた仕事を自ら辞めた(転
職含む)」ことがあると回答している(特- 44 図再掲)。
41 個別インタビューでは、「男性上司の中に、不調を理解してくださる方がいらっしゃり、助かっている」、「男性上司であっても、
上司の方から健康に関することなどを話してもらえると、自分からも相談しやすい」という声があった。
42 調査によると、健康課題による仕事への影響・支障については、男女ともに「人間関係がスムーズにいかなくなった」ことがあ
るとする者の割合が最も高くなっている。
43 個別インタビューでは、「男性上司であっても、上司の方から妻の不調等を話してもらえると、自分からも話しやすい」という
声があったが、家族の姿が変化し、未婚率も上昇する中で、独身の男性上司も増えてきていると考えられる。

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