令和6年版 男女共同参画白書 (107 ページ)
出典
公開元URL | https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/pdfban.html |
出典情報 | 令和6年版 男女共同参画白書(6/14)《内閣府》 |
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する人が評価される企業文化に切り替わって
近年、大企業を中心に、健康経営の取組が
いるとは言い難い。このため、柔軟な働き方
広がりつつある。第2節で確認したとおり、
をしながら成果を上げる従業員が登用される
健康経営の効果は様々なところで表れてお
例を増やしていく必要があろう。
り、今後、この動きを中小企業にまで広げて
いく必要がある。
また、柔軟な働き方の代表例とされるテレ
活用や取得が難しい職種もあるが、柔軟な働
する労働生産性の低下を最小化し、生き生き
き方が可能な職種であっても、依然として残
と働ける職場にしていくためには、フレック
る紙文化や、長時間労働・会社にいることを
スタイム制、時差通勤、テレワーク等を活用
前提とした業務の進め方が、柔軟な働き方を
した柔軟な働き方の推進とともに、仕事と家
阻む要因となっている。
事・育児・介護等の両立のために、仕事だけ
男女問わず、子供の有無や健康状態を問わ
でなく、家事・育児等においても一層のDX
ず、時間ではなく成果で評価される社会への
(デジタル・トランスフォーメーション)の導
移行が必要である。
入が考えられる 。
仕事と健康の両立~全ての人が希望に応じて活躍できる社会の実現に向けて~
また、個々の職員が抱える健康課題に由来
特集
ワークや在宅勤務・フレックスタイム制は、
加えて、特に女性が多い医療・福祉等を含
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さらに、女性特有の健康課題をテクノロ
むサービス業では、時間と場所を拘束される
ジーの力で解決するための製品・サービスで
働き方が多いが、女性が就業を継続していく
あるフェムテック等、健康課題の克服という
ためには、そのような業種であっても、現行
ニーズは、新たなビジネスチャンスとなり得
では難しいと思われている業務内容のオンラ
るとも期待されている 。
イン化等を進めるなど、変革を促していく必
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女性が健康課題を抱えながらも働きやすい
要がある。
社会は、高齢者や障害がある人、男性にとっ
さらに、就業継続希望はあったものの、育
ても働きやすい社会になることが期待される。
児・介護、療養等で、やむを得ずキャリアが
中断した場合に、元の職場に復帰しやすいよ
(今後の両立支援)
うな復職支援の仕組みが必要である。職務経
今後の仕事と家事・育児・介護等の両立支
験を積んだ人材は企業にとっても重要であり、
援は、女性や子育て期の男女だけに焦点を当
育児・介護、療養等による離職を防ぐととも
てるのではなく、男性を含む全ての人の働き
に、キャリアを中断した場合の復職支援や、
方を柔軟な働き方など、両立を実現できるよ
短時間勤務であっても正規雇用労働者であり
うな働き方に変えていくことが重要である。
続けられる仕組み、フルタイムで働けるよう
前述のとおり、コロナ下を経て、テレワー
になった際には、非正規雇用から正規雇用へ
ク等が浸透するなど、柔軟な働き方に対する
の切替えが可能になるといった雇用の仕組み
理解は進んできている。
を確保していくことが必要である。
しかし、依然として「長時間働くことが評
他方、柔軟な働き方が浸透する中で、もっ
価される」
、
「長期雇用の中で育成され、評価
と頑張って働きたいと思っている人の意欲を
される」昭和文化に引きずられ、限られた時
削がないように留意する必要もある。
間で、効率良く成果を出し、柔軟な働き方を
人生 100 年時代において、自らが健康であ
51 一例として、家事を補助する家電の開発や、子育て関連では、各種手続、学校への欠席連絡、保育園の連絡帳の電子化等。
52 経済産業省によると、令和7(2025)年時点のフェムテックによる経済効果は、約2兆円/年と推計されている(経済産業省
「令和2年度産業経済研究委託事業 働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本経済に与える効果と課題に関する調査」)
。
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