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令和6年版 男女共同参画白書 (118 ページ)

公開元URL https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/pdfban.html
出典情報 令和6年版 男女共同参画白書(6/14)《内閣府》
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と生活の調和(以下「ワーク・ライフ・バランス」という。)の実現に寄与する可能性を持って
いる。また、情報通信技術を利用して遠隔地から医療サービスを提供する「遠隔医療(テレヘ
ルス)」は、アクセスが限られた人々の医療へのアクセスを拡大する可能性を持っている。
コロナの経験から、役員や管理職の男女比率を含め、多様な人材が働く組織は危機に対して
より強じんであり、人材の多様性は企業の成長にとって重要な要素であることが明らかになっ
た。同様に、多様な背景を持つ人々の視点を、政策立案プロセス等に取り入れることの重要性
を認識した。
様々な課題への対応策としては、性別や年齢、障害などの交差する様々な特性が複合的に絡
み合って、ジェンダー平等を阻む課題が深刻化するという「交差性」を十分に踏まえた取組が
効果的である。多様なニーズに対応した施策を発展させるために、性別データの収集を強化し
ていく。
コロナによって社会は大きな打撃を受け、皆が多大な犠牲を被った。だからこそ、ポストコ
ロナにおける男女共同参画・女性活躍の取組において、コロナの教訓を生かす必要がある。


ジェンダー平等と女性と女児のエンパワーメントの推進


経済的エンパワーメントの推進
感染拡大下では、女性の経済的自立の確保の難しさとともに、女性の経済的安定とジェン
ダーに基づく暴力の関連性が明らかになった。しかし、女性の経済的自立には多くの構造的
障壁が残っている。長年にわたる男女間賃金格差は、構造的要因の複合的な産物であり、是
正には包括的な取組が必要である。
指導的役割に就く女性を増やす必要があり、指導的役割の女性のパイプラインを確立する
とともに、企業に対し女性参画拡大を奨励する措置を講じるべきである。柔軟な働き方や短
時間労働でも指導的役割として働く選択肢の促進も重要である。また、同一労働同一賃金の
徹底のためには、給与の公平性と透明性の確保に関する政策が有効な解決策となり得る。
女性が多く、かつ過小評価されている職業を正当に評価し、公平に処遇することに加え、
成長分野や報酬の高い分野への女性の労働移動の促進が重要であり、そのためのスキル習得・
向上の機会を増やす必要がある。また、デジタル政策や新技術の設計・開発・導入プロセス
においてジェンダーの視点を取り入れるとともに、デジタル技術の管理や意思決定に女性が
参加することを通した、デジタル・ジェンダー格差を是正するための努力が必要である。さ
らに、女性がSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics:理工系)
分野での職業に就くことを検討できるよう、固定観念や偏見を取り除き、STEM 分野にお
ける職業への理解を促進していく。
「女性の起業家精神に関するG7原則」を再確認し、女性の起業を支援するために知識、教
育、訓練、ネットワーク、資本へのアクセスを改善することが必要である。
また、職場におけるジェンダーに基づく暴力やハラスメントの防止策・対応策を推進する。



無報酬の育児・介護・家事労働の認識・削減・再分配とケアワーカーの支援
無償の育児・介護・家事労働の女性への偏りは、女性の社会参画への大きな障害であり、
無償の育児・介護・家事労働の認識・削減・再分配は、社会全体で取り組むべき課題である。
そのために、良質かつ安価なケアサービスの提供により公的支援を強化するとともに、従業
員のワーク・ライフ・バランスを確保するための勤務制度の導入・改善を企業に促す必要が

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1 令和5年度男女共同参画社会の形成の状況