よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和6年版 男女共同参画白書 (102 ページ)

公開元URL https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/pdfban.html
出典情報 令和6年版 男女共同参画白書(6/14)《内閣府》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

得ない状況に置かれていた可能性がある。

社会全体で支えていくことが必要であろう。

コロナ下を経て、テレワーク等の柔軟な働

誰もが、自らが希望する生き方を選択でき、

き方が社会に浸透し、家事・育児・介護と仕

家庭と仕事、自分自身の健康のいずれをも犠

事の両立については、周囲の理解や支援を得

牲にすることのない社会へと移行する必要が

やすくなってきているが、女性特有の健康課

ある。

題等については、慣習的にも話題に出すこと

そのためにも、依然として根強く残ってい

が半ばタブー視されてきたこともあり、周囲

る長時間労働の是正等、
「昭和モデル」の働き

の理解が得られているとは言い難い状況にあ

方を改め、希望する誰もが、フレックスタイ

る。

ム制や時差出勤、テレワークなどの柔軟な働

また、ライフステージごとに様々な健康課

き方を選択できるようにしていく必要がある。

題に直面する女性が多い中、女性を採用・登

また、育児と仕事の両立を希望する者につ

用しないという安易な選択肢ではなく、柔軟

いては、個別の意向を踏まえつつ、育児休業・

な働き方の取組の推進によって、仕事と健康

産後パパ育休(出生時育児休業)の取得に加

の両立がしやすい職場づくりが重要であるこ

えて、勤務時間帯や勤務地の意向確認、短時

とは論をまたない。

間勤務制度や子の看護休暇、さらには、育児

そして、女性だけでなく、健康や体調に不

休業からの復職支援等により、子育て中も就

安を抱えている男性も同様であると考えられ

業を継続できる取組を推進していくことが必

る。
「男性は弱音を吐いてはいけない」

「弱

要であろう。

音を言わず働くべき」 等のアンコンシャス・

介護についても、仕事と介護の両立支援制

バイアスから、不調を抱えていたとしても、

度の活用により、介護をしながらも労働生産

自身の健康課題を認めづらく、周囲にも相談

性を著しく低下させることなく、就業を継続

しにくい環境にあると推測される。

することができるような支援が必要であろう。

37

また、団塊の世代が後期高齢者に差し掛か

同時に、両立支援制度利用時の業務分担や

りつつある現在、仕事と介護との両立も重要

代替要員の確保、勤務間インターバル制度

な課題となっている。現在もなお、家族の介

の導入等による子育て中の者の業務を代替す

護の担い手の中心は女性だが、近年は男性の

る同僚の心身の健康への配慮、育児休業取得

介護者も増加しており、働きながら介護をし

者及びその周囲の同僚に対するマネジメント

ているワーキングケアラーは、男女ともに特

や評価の見直しにも積極的に取り組む必要が

に 50 代以上で多くなっている。男女ともに、

ある。

38

正規雇用労働者として生き生きと働き続ける

また、女性役員や管理職への登用を推し進

ために、ワーキングケアラーの労働生産性の

めるためにも、職場における健康支援につい

低下や離職を防止するための仕事と介護の両

ても、従来の男性中心のものから、男女それ

立支援も極めて重要になってくる。介護を個

ぞれの特性を踏まえた支援に切り替えていく

人のみで抱えるべき課題とするのではなく、

という視点が重要であろう 。
39

37 内閣府「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」では、約3割の男性が、
「男
性は人前で泣くべきではない」と回答している。
38 勤務間インターバル制度とは、終業時刻から次の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を設けることで、
従業員の生活時間や睡眠時間を確保しようとするものであり、
「労働時間等設定改善法」
(労働時間等の設定の改善に関する特別
措置法(平成 4 年法律第 90 号)
)が改正され、平成 31(2019)年4月1日より勤務間インターバル制度の導入が事業主の努力義
務となっている。一定のインターバル時間を確保することで、従業員が十分な生活時間や睡眠時間を確保でき、ワーク・ライフ・
バランスを保ちながら働き続けることができるとされている(厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」から引用。


39 例えば、個別インタビューでは、「体調や月経周期によって、柔軟に勤務時間が変更できるフレックスタイム制や、体調不良時
にすぐに横になれる休養室があれば利用したい」という声があった。

86



令和5年度男女共同参画社会の形成の状況