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令和7年度 国の予算編成に対する東京都の提案要求(最重点事項) (192 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/seisakukikaku/r7_kouki-4
出典情報 令和7年度 国の予算編成に対する東京都の提案要求(最重点事項)(11/14)《東京都》
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<現状・課題>
令和2年 10 月の内閣総理大臣所信表明において「2050 年カーボンニュートラ
ル(脱炭素社会の実現)」が宣言された。新たに建てられる建築物はその多くが
2050 年以降も存在することになるため、建物稼働後にカーボンニュートラルを可
能とするような性能を新築時に備えることが重要となる。
さらに、ロシア・ウクライナ情勢によりエネルギーを取り巻く環境そのものが
大きく変貌し、我が国のエネルギー安全保障が脅かされている中、海外のエネル
ギー、とりわけ化石燃料への依存から脱却し、エネルギー安全保障の確立と脱炭

素化を進めるためには、電力を「減らす」「創る」「蓄める」施策の社会実装を
早急に前倒して加速させることが必要である。中でも「減らす」取組においては、
「エネルギーの更なる効率的利用」の観点から特に将来にわたり使用される建築
物の脱炭素化に向けた取組が求められる。
都は、脱炭素社会の実現に向けた実効性ある取組の強化を図るため、令和4年
12 月に都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成 12 年東京都条例第
215 号。以下「都条例」という。)を改正し、住宅等の一定の中小新築建物を対象
とする制度を創設するとともに、大規模な新築建築物を対象とする建築物環境計
画書制度の強化・拡充を図り、新築時の省エネルギー性能基準の強化や、再生可
能エネルギー利用設備及び電気自動車充電設備の設置の義務付け等を行った。
国においては、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(平成 27 年
法律第 53 号。以下「建築物省エネ法」という。)に基づき、平成 29 年4月から
一定規模以上の住宅以外の新築建築物におけるエネルギー消費性能基準への適合
義務化を開始し、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正
する法律(令和元年法律第4号)により、住宅以外の新築建築物のエネルギー消
費性能基準への適合義務化の対象が拡大(2千㎡以上から 300 ㎡以上)された。
その後、2050 年カーボンニュートラルの実現に向けて、住宅・建築物の省エネ対
策を強力に進めるための「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー
消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)
が令和4年6月 17 日に公布され、原則全ての新築建築物に省エネ基準適合が義務
付けられることとなった(公布日から3年以内に施行)。しかしながら、改正法
においても非住宅の外皮性能については、基準適合が義務付けられていない(新
築建築物のエネルギー消費性能は、建築設備だけでなく外皮性能からも大きく影
響を受けるため、都条例においては、外皮性能についても建築主に対し、適合を
義務付け)。また、EUでは既に、エネルギーの性能表示について、多くの国が
制度義務化しており、東京都でも環境性能評価書やマンション環境性能表示を義
務付けている。国においても、改正法において表示すべき事項についての告示や、
告示に従わない場合の勧告について示されているが、脱炭素化建築物の普及に向
け、こうした表示制度の実効性の担保が必要である。
また、令和 12 年度までにZEBやZEHを実現していくためには、断熱や日射
遮蔽性能等の建築物及び建築設備の省エネの推進に加え、オンサイト(=需要側)
での、太陽光・太陽熱等の再生可能エネルギーの導入が不可欠である。令和3年
8月のあり方検討会取りまとめにおいて、「2050 年において設置が合理的な建築
物には太陽光発電設備が設置されていることが一般的となることを目指し、また、

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