令和7年度 国の予算編成に対する東京都の提案要求(最重点事項) (365 ページ)
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公開元URL | https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/seisakukikaku/r7_kouki-4 |
出典情報 | 令和7年度 国の予算編成に対する東京都の提案要求(最重点事項)(11/14)《東京都》 |
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高等教育に係る経済負担の軽減
(都所管局
(提案要求先 文部科学省・こども家庭庁)
子供政策連携室・総務局・生活文化スポーツ局)
高等教育費の家計負担の在り方を抜本的に見直すこと。
<現状・課題>
日本の少子化は想定を大きく上回るペースで進行している。令和5年の出生数
は、8年連続の減少で 72.7 万人となり、統計史上最少を更新した。急激な人口減
少は、社会の存立基盤を揺るがす重大な危機である。少子化の要因は多岐にわた
っているが、国立社会保障・人口問題研究所が令和3年6月に実施した「第 16
回 出生動向基本調査」では、夫婦が理想の子供数を持たない理由として、「子育
てや教育にお金がかかりすぎるから」という回答が最多となっており、教育費の
負担の大きさは主要因の一つとして挙げられている。
中でも高等教育費の家計負担については、昨年、経済協力機構(OECD)が
公表した「図表でみる教育(Education at a Glance)OECDインディケータ」
によると、日本の家計負担の割合は 51%であり、OECD加盟国の平均である 22
%の2倍超となっており、諸外国と比較しても非常に高い水準にある。
一方、日本学生支援機構が実施した「令和4年度学生生活調査」によると、半
数程度の学生が何らかの奨学金を受給しているが、貸与型が主流であり、返済期
間が子育て期間と重なることで、子育て世代の負担となっていることも指摘され
ている。
国においては、令和2年4月から高等教育の修学支援新制度が実施され、一定
の要件を満たす学生を対象に、授業料・入学金の免除又は減額と、返還を要しな
い給付型奨学金が拡充された。また、昨年 12 月に発表された「こども未来戦略」
では、高等教育費の負担軽減のため、貸与型奨学金の負担軽減(多子世帯に特に
配慮)を行い、授業料等減免及び給付型奨学金を拡大(理工農系学生、多子世帯
等)し、さらに令和7年度から多子世帯の学生等については授業料等を無償とす
る措置を講ずるとした。また、授業料後払い制度については、令和6年度から修
士段階の学生を対象に導入し、令和7年度には学部段階への本格導入に向けた更
なる検討を進めるとしている。
都は、学生の学修機会の確保を目的として、国を上回る水準で授業料の減免等
支援を行うとともに、都内の子育て世帯の教育費の負担軽減の観点から、東京都
立大学、東京都立産業技術大学院大学及び東京都立産業技術高等専門学校におい
て、所得制限を撤廃し、住所等の要件を満たす世帯を対象に令和6年度から授業
料の実質無償化を実施している。
高等教育費における家計負担の在り方については、国家的な視点で制度設計を
行い、将来を見据えて継続的に見直しを行うべき課題であり、保護者等の所得に
より学校選択が左右されないよう、国の責任と財源において支援を更に拡充して
いく必要がある。
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