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令和7年度 国の予算編成に対する東京都の提案要求(最重点事項) (279 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/seisakukikaku/r7_kouki-4
出典情報 令和7年度 国の予算編成に対する東京都の提案要求(最重点事項)(11/14)《東京都》
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外の費用については地域差を勘案する必要がないとの考え方を示している。
しかし、建築価格や物価等の各種調査によると、減価償却費・物件費には明ら
かな地域差が生じている。
また、施設サービスの居住費は原則利用者負担とされているものの、居宅サー
ビスにおいても一定の面積確保が設備基準で規定され、その費用は介護報酬で賄
うことが求められている。こうしたことから、人件費のみならず物件費や土地・
建物の調達費用についても、地域差を勘案すべきである。
現下の物価高騰については、令和6年4月の介護報酬改定において、基準費用
額(居住費)が 60 円/日引き上げられたが十分ではなく、また食費や燃料費等の
高騰は反映されておらず、介護事業所・施設は厳しい経営環境に置かれている。
また、令和4年の国の雇用動向調査では介護業界で初めて離職者が入職者を上
回る離職超過となったほか、令和5年度の賃上げ率でも介護事業所は平均 1.42%
と、全産業の平均3%台を大きく下回るなど、介護業界から賃上げが進む他産業
への人材流出が深刻な問題となっており、制度的な対応が必要である。
さらに、令和6年4月の報酬改定では、訪問介護の収支差率が 7.8%と全サー
ビスの平均を上回ったことを根拠に基本報酬が下げられたが、事業所の規模や、
同一建物とそれ以外でのサービス提供による収支差率の違いのほか、人員確保が
厳しいことにより人件費の支出が減った結果ではないかといった議論がある。現
在国において、「地域の実情や事業所規模等を踏まえた持続的なサービス提供の
在り方に関する調査研究事業」を実施しているが、より精緻な分析が必要である。
<具体的要求内容>
(1)介護報酬改定が、客観的で信頼性の高いデータに基づき行われるよう、介
護事業経営実態調査等について、各サービスの事業所の規模や併設事業所の
状況、物件費や土地建物の取得費等を含めた事業者の経営状況の把握・分析
を行うなどの精緻化を進め、介護現場の実態を適切に把握すること。
特に、訪問介護については、基本報酬の減の影響等について、精緻に分析
した上で、必要な対応を行うこと。
また、把握したデータについて、地方自治体や社会保障審議会介護給付費
分科会等での検討に資するよう、地方自治体にも提供するとともに、その
集計・分析の根拠等も併せて公表すること。
(2)地域区分の級地の設定については、各区市町村からの意見を聴いた上で地
域の実情を踏まえた設定をすることや、隣接する保険者間の地域的な一体性
を確保するための調整を可能とするなど、広域的な調整等を行う仕組みにつ
いて、検討を行うこと。
(3)介護報酬における各サービスの人件費割合については、介護事業の運営実
態を踏まえて適切に見直すこと。
(4)物件費、特に土地・建物の取得費や賃借料等の地域差について、東京の実
態に合わせ、適切に介護報酬に反映すること。
(5)現下の物価高騰や賃金上昇の影響も踏まえ、介護事業所・施設が安定的・
継続的に事業運営できるよう、介護報酬に適切に反映できる仕組みとするこ
と。

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