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令和7年度 国の予算編成に対する東京都の提案要求(最重点事項) (25 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/seisakukikaku/r7_kouki-4
出典情報 令和7年度 国の予算編成に対する東京都の提案要求(最重点事項)(11/14)《東京都》
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<現状・課題>
全国の自治体が進める基幹業務システムの標準化については喫緊の課題であ
り、都内区市町村においても、標準準拠システムへの移行の準備を進めている。
国は、制度改正に当たり、
「原則として適合基準日の1年前までに見直し内容を
反映した標準仕様書に改定する」こととしているが、このルールが徹底されてお
らず、制度改正を踏まえたシステム改修の期間が十分確保できないケースも見受
けられる。また、一律の移行期限が設定されたことにより、開発事業者のリソー
スがひっ迫し、一部業務システムの標準化対応から撤退を表明する事業者も発生
しており、現時点で都が把握しているだけでも、少なくとも都内の半数を超える
35 自治体の 112 システムが移行困難となる見込みである。
このような状況において、移行困難システムを抱える自治体では、
「移行困難」
という呼称が、自治体の責任により生じたかのような否定的な印象を与えている
ことから、住民説明等の対応に苦慮しているところも多い。また、令和8年度以
降の移行経費が補助金の対象となっていないことから、都内では、余裕のないス
ケジュールで移行に踏み切らざるを得ない自治体や、移行延期に伴い必要となる
費用の負担について、自治体と開発事業者の間で交渉が難航する事例が発生して
いる。
さらに、都が実施したヒアリングでは、開発事業者間のシステム間調整やデー
タ連携等について明確な方針がなく、事業者間の調整に委ねられていることも事
業者の過大な負担となっている。
こうした背景から、最近では、大手開発事業者が移行時期の大幅な延期を自治
体に提案するケースも発生しており、移行困難システムは今後更に増えることが
予想される。
こうした状況に速やかに対処しなければ、今後の更なる事業者の撤退や、移行
時の重大事故の発生、住民サービスの停止などが強く懸念されるため、
「 期限第一」
ではなく「安全第一」の標準化への転換が強く求められる。
また、移行経費については、令和6年8月の調査時点で、約 212 億円不足する
見込みであり、補助上限額の早急な見直しが必要である。
一方、運用経費等については、国は「地方公共団体情報システム標準化基本方
針」において、「標準準拠システムへの移行完了後に、平成 30 年度(2018 年度)
比で少なくとも3割の削減を目指す」こととしている。標準準拠システムの運用
経費等については、ガバメントクラウドの利用料だけではなく、業務ソフトウェ
アや通信回線の利用料も含まれる。また、制度改正対応等のため、経過措置とし
て、移行前の現行システムも運用せざるを得ないような場合は、このシステムに
係る運用経費等も発生する可能性がある。さらに、クラウドサービスの利用につ
いて、これまでオンプレミス環境での運用が中心であった区市町村にはノウハウ
の蓄積がなく、また、クラウド利用料に関して為替変動のリスクを区市町村に負
わせるなど、運用経費の合理的な削減も困難な状況にある。
都の調査によれば、約半数の区市町村では現時点で積算自体ができておらず、
回答のあった区市町村の8割近くが従前との比較で運用経費の増加を見込むなど、
運用経費の増大に対する不安が広がっている。

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