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令和4年版厚生労働白書 (102 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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(「小 1 の壁」を打破し、次代を担う人材を育成するため、放課後児童クラブで 2023(令
和 5)年度末までに約 30 万人分の受け皿を整備)
女性就業率の上昇等により、更なる共働き家庭等の児童数の増加が見込まれている。子



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どもの小学校入学に伴い、仕事と子育ての両立が困難になるとされる「小 1 の壁」を打破
するとともに次代を担う人材を育成するため、2018(平成 30)年 9 月に策定された
「新・放課後子ども総合プラン」に基づき、2023(令和 5)年度末までに約 30 万人の受

担い手不足の克服に向けて

け皿を整備することとしている。放課後児童クラブは待機児童を解消するとともに次代を
担う人材を育成するため、全ての児童が放課後を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動
を行うことができるようにすることが望ましい。そのため全ての小学校区で、放課後児童
クラブと放課後等に全ての児童を対象として学習や体験・交流活動などを行う事業である
放課後子供教室*5 を一体的に又は連携して実施することを目標として計画的な整備を行っ
ていくこととしている。「新・放課後子ども総合プラン」に基づく放課後児童クラブの量
的拡充、質の確保を図っていく上では、質の高い放課後児童支援員の育成が急務である。
放課後児童支援員は福祉に関する一定の資格や実務経験等の高い専門性が求められる。そ
のため、認定資格研修の質の確保と受講機会の拡充を図っていく。
(かけがえのない命を守り、全ての子どもの健全な成長・発達や自立を守るため、児童虐
待防止対策の総合的・抜本的強化策を迅速かつ強力に推進)
2020(令和 2)年度中に、全国 220 か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した
件数は 20 万 5,044 件で過去最多を更新した(図表 2-1-7)
。子ども、その保護者、家庭を
取り巻く環境は依然として厳しいものとなっており、子育てを行っている母親のうち約 6
割が「近所で子どもを預かってくれる人はいない」と回答するように孤立した状況に置か
れている*6。また、地域子ども・子育て支援事業が支援を必要とする子ども等に十分に利
用されておらず、子育て世帯の負担軽減などの効果が限定的なものとなっていると指摘さ
れている*7。これらの状況を踏まえ、児童虐待の発生予防・早期発見及び児童虐待発生時
の迅速・的確な対応を行うとともに、虐待を受けた子どもなどへの支援を行っていくため
の必要な人材確保を含めた体制強化が必要である。2022(令和 3)年 3 月、
「児童福祉法
等の一部を改正する法律案」を第 208 回通常国会に提出した。同法律案では、様々な状
況にある子どもや家庭に包括的な相談支援等を行う「こども家庭センター」の設置や訪問
による家事支援など子どもや家庭を支える事業の創設などを行うこととしている。また、
子ども家庭福祉現場において相談援助業務等を担う者の専門性向上のための実務経験者向
けの認定資格を創設することとしている。2 年以上の実務経験のある社会福祉士や子ども
家庭福祉の分野で 4 年以上の実務経験のある方が研修等を経て認定されることとなってお
り、2024(令和 6)年から始まることとなっている*8。

*5
*6
*7
*8

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令和 4 年版

文部科学省の地域学校協働活動推進事業
NPO 法人子育てひろば全国連絡協議会「地域子育て支援拠点における「つながり」に関する調査研究事業報告書」
(2015 年)
第 33 回社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会(2021 年 9 月 7 日)
国家資格を含め、施行後 2 年を目途として検討を加え、その結果をもとに必要な措置を講ずることとしている。

厚生労働白書