令和4年版厚生労働白書 (362 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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医薬品・医療機器の費用対効果評価制度については、これまでの実績を踏まえて、より
適切に制度を運用する観点から、できるだけ速やかに評価結果を反映できるよう、分析プ
ロセスの見直しや分析体制の充実等に向けた対応を行った。
(2)薬価制度改革
薬価制度については、これまでの累次の薬価改定の結果や課題などを踏まえ、革新的な
医薬品のイノベーション評価の観点から、革新的な効能・効果の追加承認があった新薬の
評価や新型コロナウイルス感染症のワクチン・治療薬の開発の評価を実施した。また、国
民皆保険の持続性確保の観点から、長期収載品の薬価の適正化や新薬創出等加算の企業区
分の適正化を、医薬品の安定供給の確保の観点から、安定確保の優先度が高い医薬品の薬
価上の取扱いの見直しを併せて実施した。
第4節
1
地域包括ケアシステムの構築と安心で質の高い介護保険制度
介護保険制度の現状と目指す姿
2000(平成 12)年 4 月に社会全体で高齢者介護を支える仕組みとして創設された介護
第
章
7
保険制度は 2022(令和 4)年で 23 年目を迎えた。
介護サービスの利用者は在宅サービスを中心に着実に増加し、2000 年 4 月には 149 万
人であったサービス利用者数は、2021(令和 3)年 4 月には 507 万人と、約 3.4 倍になっ
国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
ており、介護保険制度は着実に社会に定着してきている。
高齢化が更に進行し、「団塊の世代」の全員が 75 歳以上となる 2025(令和 7)年の日
本では、およそ 5.5 人に 1 人が 75 歳以上高齢者となり、認知症の高齢者の割合や、世帯
主が高齢者の単独世帯・夫婦のみの世帯の割合が増加していくと推計されている。特に、
首都圏を始めとする都市部では急速に高齢化が進むと推計されている。
そこで、このような社会構造の変化や高齢者のニーズに応えるために「地域包括ケアシ
ステム」の実現を目指している。「地域包括ケアシステム」とは、地域の事情に応じて高
齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むこ
とができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に
確保される体制のことをいう。高齢化の進行のスピードや地域資源の状況などは地域に
よって異なるため、それぞれの地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築を可能と
することが重要である。
また、介護保険制度が定着し、サービス利用者数の増加に伴い、介護費用が増大してい
る。介護保険制度開始当時の 2000 年度は約 3.6 兆円だった介護費用は、2020(令和 2)
年度には 11.1 兆円となっており、高齢化が更に進行し、団塊の世代の全員が 75 歳以上と
なる 2025 年には、介護費用は約 15.3 兆円*13 になると推計されている。介護費用の増大
* 13 「2040 年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(2018(平成 30)年 5 月)の経済ベースラインケース、計画ベースに
おける推計。
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厚生労働白書