令和4年版厚生労働白書 (320 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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6 章 医療関連イノベーションの推進
第1節
データヘルス改革の推進
我が国では、世界に先駆けて超高齢社会に直面しており、健康寿命の延伸や社会保障制
度の持続可能性の確保という問題に国を挙げて取り組む必要がある。
このため、厚生労働省においては、2017(平成 29)年 1 月に、厚生労働大臣を本部長
とする「データヘルス改革推進本部」を設置し、健康・医療・介護分野のデータの有機的
な連結や、ICT 等の技術革新の利活用の推進により、国民の健康寿命の延伸や効果的・
効率的な医療・介護サービスの提供を目指し、取組みを進めている(図表 6-1-1)
。具体
的には、個人や医療・介護等の現場によるデータの活用や最先端技術の導入により、国民
がメリットを感じることができ、必要なコストとのバランスを踏まえた ICT インフラの
整備等を進めるため、2017 年 7 月に「データヘルス改革推進計画」を策定し、2018(平
成 30)年 7 月には工程表を策定した。これらは、2020(令和 2)年度の実現を目指した
ものであることから、2019(令和元)年 9 月には、2021(令和 3)年度以降に目指すべ
第
し、2021 年 6 月には、当該集中改革プランを基礎としつつ、「自身の保健医療情報を閲覧
医療関連イノベーションの推進
2020 年 6 月には、「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プラン」を策定
章
6
き未来と、それらの実現に向けた 2025(令和 7)年度までの工程表を策定した。
できる仕組みの整備(PHR:Personal Health Record)」、「医療・介護分野での情報利
活用の推進」、「ゲノム医療の推進」及び「基盤の整備(支払機関改革)
」の 4 本柱に沿っ
て、2025 年度末までに取り組む 5 年間の工程を明確化した新たな工程表を策定した。現
在、この工程表に沿って、取組みを進めている。
2021 年度の具体的な取組みは以下のとおり。
○ゲノム医療の推進について、2019 年 12 月に策定した「全ゲノム解析等実行計画」
(第
1 版)及び 2021 年 6 月に策定した「全ゲノム解析等実行計画ロードマップ 2021」に基
づき、一人ひとりの治療精度を格段に向上させ、治療法のない患者に新たな治療を提供
するといったがんや難病等の医療の発展や、個別化医療の推進等、がんや難病等患者の
より良い医療の推進のため、全ゲノム解析等を推進してきた。がん、難病において、日
本人のゲノム変異の特性等を明らかにしつつ、引き続き体制整備を進める。
○ AI 活用の推進について、医療従事者の負担軽減及び医療の質の向上等を図るため、
AMED において、画像診断を支援する AI 開発の取組み等を進めた。また、保健医療
AI 開発加速コンソーシアムにおいて、2020 年 6 月に策定した「ロードブロック解消に
向けた工程表」及び「俯瞰図に基づく AI 開発促進のための工程表」に基づき取組みを
進めた。
○自身のデータを日常生活改善等につなげる PHR の推進について、マイナポータル等を
通じた個人へのデータ提供に関しては、2017 年 6 月以降の予防接種歴情報に加え、
2020 年 6 月から乳幼児健診・妊婦健診情報、2021 年 10 月からは特定健診等情報及び
薬剤情報の提供を開始した。2022(令和 4)年度からはその他の健診・検診等情報の
提供開始を目指している。
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厚生労働白書