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令和4年版厚生労働白書 (110 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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る。保育業務の効率化によって生まれた時間を活用してノンコンタクトタイム*16 を確保
することや保育士の研修を実施することが可能となり、保育の質の向上に寄与すると考え
られる。また、ICT の活用により人間による過誤を防ぎ、保育事故の未然防止につなが



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るなど安全性への向上に対する期待も高い。
児童相談所では非常に多くの事例の中から緊急性の高いものを把握し迅速・的確な対応
を行うため、一時保護の判断に AI を活用する開発が進められている。業務の効率化だけ

担い手不足の克服に向けて

ではなく、子どもたちの命と安全を守るために必要な技術となることが期待される。
(医療・福祉サービスの提供がされる施設・事業所等において業務の効率化によるケアの
質の確保等を実現するためには、組織マネジメント改革が必須)
医療・福祉サービスの提供がされる施設・事業所等において従来の業務分担の変更を行
うことや、資格の有無や勤務形態に関わらず多様な人材が連携してチームとして医療やケ
ア、保育を行っていくこと、またロボット・センサー・ICT を導入し、現場での活用を
進めていくことは、施設・事業所等のトップのリーダーシップのみならずリーダー級職員
の積極的な関与等多くの職員の協力が必要となる。
特に、介護ロボット等テクノロジーの導入当初は介護ロボット等の使用に不慣れである
ことなどから業務の効率性が下がり、介護ロボット等による効果を実感するまでには一定
の時間がかかることが指摘されている*17。介護ロボット等の導入による介護現場のケアの
質の確保や職員の負担軽減を実現するためには、介護ロボット等の活用に関わる職員全員
が、一時的に業務の効率が低下する傾向にあることを知っておくことが重要であり、継続
的なマネジメントにより施設長や介護職員が一体となって取り組む必要がある。
施設・事業所等における組織マネジメント改革を促すためには、管理者向けの意識改革
に関する研修等やリーダー級職員を含めた関係職員に対する説明会等の開催、ロボット・
センサー・ICT 等の活用や業務分担の見直し等の方法についての好事例の収集及び周知
などの取組みを促す支援を行っていくことが必要である。なお、介護、保育、福祉の現場
等を中心に行政機関によって異なる申請書類等について国と地方の連携により標準化・ガ
イドライン化を進めるとともに、医療・福祉分野の文書量削減に向けた取組みを行ってい
くことも必要である。
ここで、医療従事者の働き方改革を推進するためプロジェクトを立ち上げ、全職種横断
的な様々な取組みを行っている事例を紹介する。

* 16 保育士の勤務時間内のうち、子どもと関わらない時間。ノンコンタクトタイムを確保することによって、保育士同士の子ども等に
関する情報交換、保護者対応、保育環境の改善を図る取組みが進み、保育の質の向上に寄与すると考えられる。
* 17 厚生労働省「介護サービス事業(施設サービス分)における生産性向上ガイドライン」

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令和 4 年版

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