令和4年版厚生労働白書 (236 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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)の防止を推進するため、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルを活用し
た企業向け研修会や就活ハラスメント対策事例集の作成を行い、その周知を図っている。
第
章
2
9
個別労働紛争対策の総合的な推進
社会経済情勢の変化に伴う企業組織の再編や人事労務管理の個別化の進展等を背景とし
て、職場におけるいじめ・嫌がらせ等に関する個々の労働者と事業主との間の紛争が増加
働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など
傾向にある。
これらの個別労働紛争について、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基
づき、2001(平成 13)年 10 月 1 日から、次のような個別労働紛争解決制度が運用され
ている。
①全国の労働局や労働基準監督署等に総合労働相談コーナー*24 を設け、労働問題に関す
るあらゆる相談に対応し、情報提供を行うワンストップサービスの実施
②紛争当事者に対し、紛争の問題点を指摘し、解決の方向性を示唆する都道府県労働局長
による助言・指導の実施
③都道府県労働局に設置される紛争調整委員会において、紛争当事者双方の合意に向けた
あっせん制度の実施
この制度の施行状況(2020(令和 2)年 4 月~2021(令和 3)年 3 月)は、総合労働
相談コーナーにおいて受け付けた総合労働相談件数が 1,290,782 件、民事上の個別労働
紛争に係る相談件数が 278,778 件、都道府県労働局長による助言・指導の申出件数が
9,130 件、紛争調整委員会によるあっせんの申請件数が 4,255 件となっている。
このように数多くの労働者、事業主に利用されているところであるが、引き続き制度の
周知・広報に努めるほか、個別労働紛争の迅速・適正な解決を図るべく、制度の趣旨に
沿った運用に取り組んでいくこととしている。
10 透明かつ公正な労働紛争解決システム等の構築
個別労働紛争解決制度や労働審判制度、民事訴訟等の個別労働紛争解決システムについ
ては、透明かつ公正・客観的でグローバルにも通用する紛争解決システムを構築するた
め、「
『日本再興戦略』改訂 2015」
(2015(平成 27)年 6 月 30 日閣議決定)等に基づき、
2015 年 10 月から「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」
において、既存の個別労働紛争の解決手段がより有効に活用されるための方策と、解雇無
効時における金銭救済制度の在り方とその必要性について検討を進め、2017(平成 29)
年 5 月に報告書が取りまとめられた。「成長戦略フォローアップ」
(2020(令和 2)年 7 月
17 日閣議決定)において、今後の方針を定めるとともに、2018(平成 30)年 6 月から
「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」において、法技術的な
論点についての専門的な検討を行っている。
11 雇用労働相談センターの設置・運営
新規開業直後の企業や海外からの進出企業等が、日本の雇用ルールを的確に理解して、
* 24 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/
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