令和4年版厚生労働白書 (160 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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偏在対策を進める上では、幅広い地域のニーズに対応できる総合的な診療能力を有する
医師を育成することも重要であることから、2020(令和 2)年度から、総合診療医を養
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章
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成・確保するための拠点を整備し、一貫した指導体制のもと、卒前教育から専門研修やそ
の後のキャリアパスの構築等を支援する等の事業を行っている。また、日本専門医機構に
おいて、2018(平成 30)年度から「総合診療専門医」の養成を行っている。
担い手不足の克服に向けて
偏在対策のための体制整備の面では、地域で安心して産み育てることのできる医療提供
体制の確保を図るため、2022(令和 4)年度において、総合周産期母子医療センターや
それを支える地域周産期母子医療センターの新生児集中治療室(NICU)
、母体・胎児集
中治療室(MFICU)等へ必要な支援を行うこととしている。また、分娩取扱施設が少な
い地域を対象に、施設・設備整備及び産科医・産婦人科医の派遣に必要な経費を支援する
こととしている。さらに、無医地区等のへき地に居住する住民に対する医療提供体制の確
保を図るため、へき地診療所や巡回診療等を行うへき地医療拠点病院への支援を行うとと
もに、無医地区等から高度・専門医療施設を有する都市部の医療施設へ患者を長距離輸送
する航空機(メディカルジェット)の運航等に必要な経費を支援することとしている。
都道府県における地域偏在対策としては、2018 年に改正*55 された医療法・医師法に基
づき、地域ごとの医師の多寡を全国ベースで客観的に比較・評価可能な医師偏在指標によ
り、自県の偏在状況を把握するとともに、目標とする医師数や医師確保の方針などを盛り
込んだ医師確保計画を策定し、地域医療介護総合確保基金を活用しつつ、大学と連携した
地域枠(自都道府県以外の大学に設定する地域枠を含む。
)の設定、地域枠学生等への修
学資金の貸与、地域医療支援センターの運営、キャリア形成プログラムの作成と充実等の
取組みにより、偏在解消に向けた対策を講じている。2022 年度において、医師等の偏在
の解消、医療施設の勤務環境の改善、チーム医療の推進等の事業に助成することにより、
医師、看護師等の地域に必要な質の高い医療従事者の確保・養成を推進する事業を医療介
護総合確保基金の対象事業としている。
また、医師多数区域から医師少数区域への医師の流れを促進するために、医師確保計画
において医師少数区域における医師の勤務環境の改善に努めるとともに、医師少数区域等
での一定期間の勤務経験を厚生労働大臣が認定・評価する制度を創設しており、認定を受
けた医師について、地域医療支援病院*56 の管理者の要件とすることや医師少数区域等で
診療を継続する際、学会への参加や能力研鑽のための研修受講に必要な経費等の支援を行
うこととしている。
地域における外来医療機能の不足・偏在等については、2019(令和元)年 3 月に「外
来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン」を発出し、都道府県において、
外来医療機能に関する情報の可視化、外来医療機能に関する協議等について盛り込んだ外
来医療計画を策定するとともに、新規開業希望者に対し、地域に必要とされる医療機能を
担うよう求める等の対策を講じている。
* 55 医療法及び医師法の一部を改正する法律(平成 30 年法律第 79 号)
* 56 第一線の地域医療を担う、かかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援する能力を備え、地域医療の確保を図る病院としてふさわし
い構造設備等を有するものとして都道府県知事が容認する病院をいう。紹介患者を中心とした医療を提供し、救急医療を提供する能力を
有すること等が要件とされている。
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厚生労働白書