令和4年版厚生労働白書 (162 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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章
2
携帯型エコーの活用で体内の正確な情報
を把握可能に
持って適切なケアを行えるようになってい
フレンズの保坂明美所長は、以前勤務して
た適切なタイミングで行えるようになったこ
いた医療機関での経験を元に医師と相談し、
とは、利用者のみならず看護師の精神的・身
体内の情報を正確に把握するべく、従来の
体的な負担の軽減にもつながっている。
フィジカルアセスメントに加えて、携帯型エ
担い手不足の克服に向けて
コーによるエコー画像を活用した新たなアセ
スメントを実施することとした。
る。特に排泄に関するケアが必要な時に、ま
世のため、人のため、最後は自分のために
フレンズでは、適切なケアのみならず、看
2019(平成 31)年 4 月にフレンズ内で開
催した勉強会で、訪問看護師の理解を得られ
たことから、携帯型エコーの操作方法の習得
護師が高いモチベーションを維持できる職場
環境も重視している。
2020(令和 2)年 4 月から、既に導入し
に積極的に取り組んできた。2022(令和 4)
ていた夜間のシフト勤務にメイン(夜間の定
年 1 月現在では在籍看護師 20 人の半分以上
期訪問及び電話対応)及びサブ(夜間の定期
が日常的に利用している。
訪問、及び、メインが電話対応後に急遽訪問
既存のネットワークシステムを活用して
画像データを医師等と共有
する場合に電話対応を引き継ぐために待機)
の勤務形態を新たに設置し、メインとサブを
2 回連続で勤務すれば、勤務終了後に 48 時
医師に速やかに相談できるようにするため
間休息できる二交代制を導入した。そうした
には、医師及び訪問看護事業所が利用者のエ
取組みで、より健康な働き方が実現される中
コー画像を即時に情報共有する必要がある。
で、日々の訪問看護を通じて看護師として、
函館市を含む道南地域には、医療機関・訪
そして人間としてのステップアップが目指さ
問看護ステーション及び調剤薬局等幅広い職
れている。
種の分野で患者の投薬歴・検査データ及び画
フレンズの理念は「世のため、人のため、
像データ等を共有できる「道南 MedIka 」
最後は自分のため」。保坂所長は、「看護師が
というシステムがある。フレンズもこのシス
いい仕事(適切なケア等)をすれば自分が報
テムに参加し、利用することで、医師との速
われる。今後とも、各種の取組みを積極的に
やかな連携という課題を克服した。
推進し、関係者に好事例として展開していき
*3
適切なケア、医療従事者の業務と働き方
の改善に効果
たい」と意気込みを語る。
「利用者がどこに住んでいても速やかに適
切なケアをしたい」という思いから始まった
フレンズの取組みは、様々な効果をもたらし
ている。
利用者と家族はエコー画像を見ながら症状
や必要なケアの説明を受けることで、自宅で
の生活がより安心できるものとなった。医師
は速やかにエコー画像を確認し、より詳細な
情報に基づいて安心して必要なケアの指示が
できるようになった。
そして看護師は、エコー画像で体内情報を
正確に把握でき、必要があれば画像共有で医
師の指示を速やかに仰げることから、自信を
*3
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令和 4 年版
携帯型エコーによるエコー画像を活用した新たなアセス
メント
道南地域医療連携協議会が 2008(平成 20)年 4 月から運営する地域医療連携ネットワークシステム。患者のプライバシー
に配慮している。
厚生労働白書