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令和4年版厚生労働白書 (165 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第1部

社会保障を支える人材の確保

事例 2 房総メディカルアライアンス
地域の連携モデルとして設立

センターでは新型コロナウイルス感染症の患

房総メディカルアライアンスは、千葉県南

を担当、富山国保病院では同感染症の軽症者

房総市の富山国保病院と社会福祉法人太陽会

を担当、関連病院である亀田総合病院では重

の安房地域医療センター等が参加する法人で

症者と通常の高度医療を担当することとし

あり、2018(平成 30)年に発足した。

た。こうした明確化により、重症から軽症と

者を受け入れず、通常の救急医療と発熱外来

受け入れるシステム構築も可能となり、高度

い、地域の基幹病院の連携モデルを目指すこ

医療を含む通常医療と同感染症患者に対する

と等を目的として設立されたものである。

医療を両立させることが可能となった。
第 5 波においては、安房地域医療センター

新型コロナウイルス感染症に迅速に対応

において新型コロナウイルス感染症重症患者

なった 2020(令和 2)年 3 月末、本連携法

保するなど、同感染症の急拡大にも迅速に対

新型コロナウイルス感染症対策が急務と

人が中心となり、南房総地域医師会・保健所

の受入病床として、HCU を転用し 4 床を確
応している。

などで有識者会議を開催し、富山国保病院の

こうした対応が可能となった一つの要因と

病床を全て空け 4 月中旬に同感染症の専用病

して、本連携法人では、月 1 回、連携法人の

院にすることを決定した。富山国保病院には
感染症専門医は常時勤務していないが、安房
地域医療センターの感染症科医師、感染管理
認定看護師がゾーニング等の指導を実施し、
専用病院への移行が可能となった。
その後、第 4 波までの間は、医療機関ごと

担い手不足の克服に向けて

切れのない地域包括ケアシステムの一翼を担



なった同感染症患者の転院を富山国保病院が



高齢化の進んでいる安房地域において、途

2

役員、参加法人の各部門長等が参加する運営
会議を開催するなど、日頃から医療連携の構
築に努めていたことが挙げられる。連携法人
の活動により医療機関間や地域との信頼関係
が醸成され、迅速な新型コロナウイルス感染
症対応にもつながった事例である。

の役割分担を明確化している。安房地域医療

5

地域共生社会の取組み

これまでは、高齢者、障害者、子どもなどの対象者ごとに公的な支援制度が整備され、

支援の充実が図られてきた。しかし、介護と育児(いわゆる「ダブルケア」
)への対応が
同時に必要となる世帯や、障害や病気を抱えながら地域で生活を送る方など福祉分野に加
え、保健医療や就労にまたがって支援を必要とする方も増えてきている。また、人口減少
が進むことによって、地域によっては公的支援の利用者数が減少し、専門人材の確保が困
難となることで対象者ごとに公的支援の提供機関を安定的に運営することが難しくなって
きている。地域においては、これら複合的な課題について分野をまたがって包括的な支援
が行える体制の整備が重要となっている。また、高齢者、障害者、子どもなど世代や背景
の異なる全ての人々の生活の拠点となる地域では、NPO 法人やボランティアの方などが
医療・福祉サービスの提供主体として活動しているほか、地域住民一人一人が時として誰
かの「支え手」となり「受け手」となる関係にある。公的支援のみならず、NPO 法人や
ボランティア等の地域の資源を活かし、住民の主体的な支え合いを育み地域のつながりを
強化することが、暮らしと地域社会に豊かさを生み出すことにもつながる。
2020(令和 2)年 6 月 5 日に地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正す
る法律(令和 2 年法律第 52 号)が成立し、2021(令和 3)年 4 月 1 日から施行された改

令和 4 年版

厚生労働白書

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