令和4年版厚生労働白書 (141 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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コラム
社会保障を支える人材の確保
AI(人工知能)ケアプランが実現するもの
国は、2016(平成 28)年から AI ケアプラ
る。
現在市場において販売されている AI ケア
も活用した科学的なケアプランの実用化に向
プランの作成支援のソフトは、新規利用者の
けた取組について検討することとしている。
要介護情報等を入力することで条件にあった
方で、ケアプランは利用者の意向や課題等、
個々の状況等を十分に踏まえて作成されるも
ケアプランとは、介護を必要とする人の要
のであり、また、最終的にはケアマネジャー
介護度や体調、要望等を基に利用する介護
が利用者に適したケアプランの内容とするた
サービスやその利用回数等を定める計画書の
めに各種調整を行い、ケアプランの内容を利
ことである。自立支援を目的に利用者一人ひ
用者に説明する必要があることから、AI ケ
とりにきめ細かくケアプランを作成するため、
アプランについては引き続き調査研究が必要
作成には時間がかかる。作成後も健康状態等
である。
によって必要に応じて見直しが必要となる。
介護支援専門員(ケアマネジャー)*1 は、
ケアプランの作成業務や、ケアプランに従っ
て介護サービスが提供されるよう市町村・介
生産性向上とケアマネジメントの質の向
上を目指す AI ケアプラン
AI の利点は人間には処理不可能なほどの
護サービス事業者・施設等との連絡調整を行
膨大な過去データを分析し、物事の傾向の把
う要の存在である。また、介護サービス利用
握や将来予測が可能となる点である。膨大な
者の増加や地域包括ケアシステム構築による
利用者データの活用は科学的根拠に基づいた
医療・介護の連携体制整備に伴い、ケアマネ
効果的・効率的な介護のあり方を示す可能性
ジャーの果たす役割は一層重要となってお
を持っている。
り、ケアマネジャー一人ひとりに対して効果
的・効率的な業務が求められる。
AI はケアマネジャーの “ 頼りになる相棒 ”
となるか
AI 導入の目的はケアマネジャーの代替で
*1
担い手不足の克服に向けて
介護サービス提供の要の存在であるケア
マネジャー
ケアプランの一部が自動的に提案される。一
2
章
おいても自立支援・重度化防止等に資する AI
第
ンの調査を開始し、2022(令和 4)年度に
はなく、あくまでケアプランの作成支援であ
こうした状況を踏まえ、AI ケアプランの
精度向上などを通じて社会実装につながるよ
う、国においても、引き続き、調査研究事業
を進めていく。
(参考文献)令和 2 年 11 月 26 日第 194 回社会保障審議
会介護給付費審議会資料
保健・医療・福祉分野での実務経験が 5 年以上である者等で、実務研修を受講し、試験合格後に研修課程を修了し、介護支
援専門員証の交付を受けた者
介護現場のニーズをテクノロジーの開発内容に反映させることに併せ、効果的な介護技
術を構築するなど支援を行ってきた。2022 年度は、①介護施設等(ニーズ側)
・開発企
業等(シーズ側)の一元的な相談窓口、②開発実証のアドバイス等を行うリビングラ
ボ*41、③介護現場における大規模実証フィールドからなる介護ロボットの開発・実証・普
及のプラットフォームの機能の拡充や、エビデンスデータ*42 の蓄積を図りつつ、介護ロ
ボット等の開発・普及の加速化を促進することとしている。また、業務負担の軽減等に向
* 41 実際の生活空間を再現し、新しい技術やサービスの開発を行うなど、介護現場のニーズを踏まえた介護ロボットの開発を支援する
ための拠点をいう。
* 42 介護ロボット等を導入することによる効果(職員の業務内容ごとに要する時間の変化、利用者の状態の変化、職員の負担の変化等)
に関するデータをいう。
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厚生労働白書
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