令和4年版厚生労働白書 (201 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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第
2 章 働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など
非正規雇用労働者の待遇改善、長時間労働の是正等
第
第1節
2
非正規雇用の現状と対策
章
(1)非正規雇用の現状と課題
近年、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者は
全体として増加傾向にあり、雇用者の約 4 割を占める状況にある。これは、高齢者が増え
る中、高齢層での継続雇用により非正規雇用が増加していることや、景気回復に伴い女性
を中心にパートなどで働き始める労働者が増加していることなどの要因が大きい。なお、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、2020(令和 2)年以降、非正規雇
用労働者は対前年比で減少し、2021(令和 3)年には 2,075 万人となっている。
高齢者や学生アルバイトなど、非正規雇用の全てが問題というわけではないが、正規雇
用を希望しながらそれがかなわず、非正規雇用で働く者(不本意非正規雇用労働者)も
10.7%(2021 年)存在し、特に 25~34 歳の若年層で 15.6%(2021 年)と高くなって
いる。非正規雇用労働者は、雇用が不安定、賃金が低い、能力開発機会が乏しいなどの課
題がある。一方、非正規雇用労働者の中には「自分の都合のよい時間に働きたいから」等
働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など
1
現下の政策課題への対応
の理由により自ら非正規雇用を選ぶ方もおり、多様な働き方が進む中で、どのような雇用
形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられることが重要である。
(2)非正規雇用労働者への総合的な対策の推進
1 正社員転換・待遇改善の推進
正社員を希望する方の正社員転換や非正規雇用を選択する方の待遇改善を推進するた
め、キャリアアップ助成金において、非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善の取組みを
図る事業主に対して助成を行っている。
また、どの働き方を選択しても公正な待遇を受けられるようにし、人々が自分のライフ
スタイルに合わせて多様な働き方を自由に選択できるようにすることが重要である。
「働き方改革実行計画」
(平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定)や「同一労働同
一賃金に関する法整備について」
(平成 29 年 6 月 16 日労働政策審議会建議)等を踏まえ、
第 196 回国会において「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」
(平
成 30 年法律第 71 号)が成立した。同法による改正後の「短時間労働者及び有期雇用労働
者の雇用管理の改善等に関する法律」
(平成 5 年法律第 76 号。以下「パートタイム・有期
雇用労働法」という。)及び「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護
等に関する法律」(昭和 60 年法律第 88 号)では、雇用形態にかかわらない公正な待遇の
確保に向け、①不合理な待遇差を解消するための規定の整備、②労働者に対する待遇に関
する説明義務の強化、③行政による履行確保措置及び裁判外紛争解決手続(行政 ADR)
が整備され、2020(令和 2)年 4 月 1 日に施行された(パートタイム・有期雇用労働法の
中小企業への適用は 2021(令和 3)年 4 月 1 日。
)
。
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厚生労働白書
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