令和4年版厚生労働白書 (397 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
現下の政策課題への対応
連携の下、新型インフルエンザ等対策訓練が政府全体で実施されている。
(3)抗インフルエンザウイルス薬の備蓄とワクチン供給体制について
抗インフルエンザウイルス薬については、新型インフルエンザの発生に備え、行動計画
に基づき国民の全罹患者数(被害想定において全人口の 25%が罹患すると想定)の治療
その他の医療対応に必要な量を備蓄目標とし、国と都道府県などにおいて備蓄を行ってい
る。なお、2017(平成 29)年には、最新の科学的な知見に基づき、これまで備蓄対象と
していた重症患者への倍量・倍期間の抗インフルエンザウイルス薬投与は効果が薄いこと
が明らかになったことから備蓄対象としないこととし、備蓄目標量に反映させた。
また、ワクチンについては、これまで鶏卵培養法では 1 年半~2 年を要する全国民分の
新型インフルエンザワクチンの生産期間を約半年に短縮することを目的として、2009
(平成 21)年度補正予算で「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交
付金」を措置し、細胞培養法による新型インフルエンザワクチンの生産体制の整備を図っ
た結果、2018(平成 30)年度末までに全国民分のワクチン生産のための実生産施設が整
備された。
養法により安定的に製造できる技術開発を推進している。
さらに、高病原性の鳥インフルエンザに由来する新型インフルエンザの流行に備え、鳥
インフルエンザに感染した患者や鳥から分離されたウイルスを基に製造されるプレパンデ
ミックワクチンの原液の製造・備蓄を進めている。新型インフルエンザ発生初期に医療従
事者や国民生活・国民経済の安定に寄与する業務に従事する者に特定接種(特措法第 28
条で規定する「特定接種」をいう。以下同じ。)が行えるよう、現在は、A/H7N9 亜型を
また、2013(平成 25)年 12 月に医療従事者に関して特定接種の登録申請を開始して
8
章
おり、国民生活・国民経済の安定に寄与する業務の従事者に関する登録申請についても、
第
用いて、製造・備蓄を進めるとともに、有効性や安全性に関する研究を行っている。
健康で安全な生活の確保
現在、最もパンデミックの可能性が高いとされている H7N9 型の発生に備え、細胞培
2016(平成 28)年度に特定接種管理システムによる受付が開始され、2019(令和元)
年 5 月時点で約 13 万事業所(登録者数約 561 万人)を特定接種の対象として登録した。
(4)鳥インフルエンザ対策について
鳥インフルエンザは、一般的に鳥類がかかる病気であるが、感染した鳥やその臓器にふ
れるなどの濃厚接触をした場合、稀に人に感染することがある。
その中で、鳥インフルエンザ(H5N1 亜型)については、東南アジアを中心に、中東、
アフリカなどにおいて、2003(平成 15)年から 2022(令和 4)年 2 月 10 日までの間に、
863 人の感染者(うち死亡者 455 人)が報告されている。また、2013(平成 25)年 3 月
以降、中国を中心に鳥インフルエンザ(H7N9 亜型)の患者が発生しており、2022 年 2
月 10 日までに、1,568 人の感染者(うち死亡者 616 人)が確認されている。鳥インフル
エンザ(H5N1 亜型、H7N9 亜型)は感染症法上の二類感染症に位置づけられており、
国内で患者が確認された場合には、入院勧告などの適切な措置を講ずることとされてい
る。また、極めて稀ではあるが、H5N1 亜型又は H7N9 亜型以外の亜型の鳥インフルエ
ンザの人への感染が報告されている。
令和 4 年版
厚生労働白書
383