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令和4年版厚生労働白書 (89 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第1部

社会保障を支える人材の確保

医療・福祉分野の就業者数は、サービス利用者や人材養成施設の増加等によって増えて

職場環境の改善等の対策が必要となるだろう。また、有効求人倍率が全職業計を上回り人
材確保の必要性が高い状況にある介護職員、障害福祉分野の福祉・介護職員、保育人材な
どは、多様な人材を呼び込むための魅力の発信や離職理由等を踏まえた処遇改善、働き続
けられる職場環境の整備等総合的な対策が必要となるだろう。そして、設置や運営主体が
市区町村や都道府県となる保育所や放課後児童クラブの一部、児童相談所等の職員につい
ては、人材確保に制約がある中で、質の確保及び高い専門性に応じた処遇の改善と併せて
AI 等を活用した業務効率化の取組みが必要となるだろう。
今後も主として高齢化の更なる進行により医療・福祉人材の更なる確保が必要となって
いくが、現役世代が急減していく中にあってどのように取り組んでいくべきか。高齢化の

社会保障を支える人材を取り巻く状況

及び看護師については偏在状況やその偏在が生じる原因を踏まえた養成の在り方の検討や

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きている。しかし、地域間等で人材確保の状況に差が生じている医師、歯科医師、薬剤師



(小括)

進行は、慢性疾患患者、重度の要介護者や認知症高齢者の増加など、医療や介護のニーズ
にも変化をもたらしている。また、地域によっては人口減少により医療・福祉ニーズが減
少に転じていくところもある。医療・福祉人材を更に確保していくに当たっては、こうし
たニーズの質の変化や地域ごとの量の変化その他の実情を踏まえる必要があるだろう。ま
た、2019(令和元)年 6 月に策定した「医療・福祉サービス改革プラン」
(図表 1-2-85)
により単位時間サービス提供量*66 を 5%(医師は 7%)以上改善し、男女ともに健康寿命
を 3 年以上延ばすことにより、より少ない就業者数で対応が可能という推計もある(図表
1-2-86)。
「人生 100 年時代」を見据えて、健康寿命の延伸により一人一人の QOL(生活
の質)の向上や生涯現役の就労と社会参加を実現するとともに、医療・介護サービスが必
要となる方の増加を抑制していくことが必要であろう。より少ない人手で効率的に、質の
高い医療・福祉サービスの提供を実現できるよう、ロボット・AI・ICT 等の活用やタス
ク・シフト / シェアを推進していく必要もある。これらの取組みを医療・福祉現場で広め
ていくためには、組織マネジメント改革も必要であろう。医療法人や社会福祉法人が、地
域ごとに異なる医療・福祉ニーズに応じて多事業経営や法人間連携を行う取組みも、必要
なサービス提供を確保するための選択肢の一つとして始まっている。
第 2 章では、担い手不足の克服に向けて、医療・福祉サービスの提供の在り方及び人材
確保に関する今後の方向性並びに医療・福祉人材ごとに抱える課題への対応について整理
していく。

* 66 (各分野の)サービス提供量÷従事者の総労働時間で算出される指標。テクノロジーの活用や業務の適切な分担により、医療・福祉
の現場全体で必要なサービスがより効率的に提供されると改善する。

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