令和4年版厚生労働白書 (134 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
保育に関しては、労務管理の専門家による巡回支援や魅力ある職場づくりの啓発セミ
ナーを実施するとともに、保育士確保や定着、労働条件等の改善に関して、保育士の相談
第
章
2
窓口を設置している。2022 年度には、児童養護施設等職員の相談支援体制の構築を支援
することとしている。
マネジメントに関する実践的な知識・技能を有するリーダー層を育成する取組みも始
担い手不足の克服に向けて
まっている。「就職・転職のための大学リカレント教育推進事業」
(文部科学省)では、全
国の大学が都道府県労働局・ハローワークや企業等との共働で、即効性の高いリカレント
教育プログラムの開発から修了者の就職の支援まで提供する事業を促進している。プログ
ラムは、医療・介護等社会的関心の高い分野において行われており、2021(令和 3)年
度現在、22 の都道府県で 63 プログラムが実施されている。
(2)タスク・シフト/シェアの取組みやロボット・AI・ICT の活用
(タスク・シフト/シェアにより医療・福祉現場におけるサービス提供の効率性を高め、
労働環境を改善)
医療・福祉現場の「タスク・シフト/シェア」は、①専門性の高い業務の一部を他の資
格を有する人材も担うこととする方法や、②有資格者がその専門的業務に集中して取り組
めるよう、補助的業務を一定の研修等を受けた資格を有さない人材に移行する方法で進め
られている。
前者では多様な職種の連携によるチーム医療が挙げられる。2012(平成 24)年 4 月に、
あらゆる医療現場においてチーム医療のキーパーソンとなる看護師の負担軽減を図るとと
もに患者・家族のサービス向上を推進する観点から、一定の研修を終了した介護職員が医
師の指示の下に、介護老人福祉施設等において、たんの吸引等の医療的ケアを行うことを
可能とした。また、2015(平成 27)年 10 月に、更なる在宅医療等の推進を図っていく
ため、特定行為に係る看護師の研修制度*35 が創設された。2018(平成 30)年度の診療
報酬改定では、看護職員の負担を軽減し、看護補助者との業務分担・共同を推進すること
によってより質の高い療養環境の提供を目指す観点から、看護補助者の配置に関する評価
の充実が図られている。
2021(令和 3)年 5 月には、診療放射線技師法、臨床検査技師等に関する法律、臨床
工学技士法及び救急救命士法等の改正を含む、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体
制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律(令和 3 年法律第 49 号)が成
立し、2021 年 10 月より、医師又は歯科医師から、診療放射線技師*36、臨床検査技師*37、
* 35 医師又は歯科医師の判断を待たずに手順書により一定の診療の補助(特定行為)を行う看護師を養成する制度。特定行為 21 区分ご
とに定められた特定行為研修を指定研修機関(学校・病院等)で受ける必要がある。なお、アメリカ等では、医師の指示を受けずに一定
レベルの診断や治療などを行うことができるナースプラクティショナー(Nurse Practitioner:NP)と言われる看護の資格がある。診
療看護師とも呼ばれる NP は、医師の指示を必要としない一方で、特定行為に係る看護師の研修制度により研修を修了した看護師は医師
の包括的指示を必要とするといった点で違いがある(参考:公益社団法人日本看護協会ホームページ)。
* 36 診療放射線技師法の改正により、RI(核医学)検査のために静脈路を確保し、RI 検査医薬品を投与する行為、投与終了後に抜針及び
止血する行為及び医師又は歯科医師が診察した患者について、その医師又は歯科医師の指示を受け病院又は診療所以外の場所に出張して
行う超音波検査が実施可能となった。
* 37 臨床検査技師等に関する法律施行令及び関係省令の改正により、超音波検査において静脈路を確保して造影剤を接続し、注入する
行為、当該造影剤の投与が終了した後に抜針及び止血する行為、採血に伴い静脈路を確保し、電解質輸液(ヘパリン加生理食塩水を含
む。
)に接続する行為及び静脈路を確保し、成分採血装置を接続・操作する行為、終了後に抜針及び止血する行為が実施可能となった。
120
令和 4 年版
厚生労働白書