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令和4年版厚生労働白書 (357 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

(1)後期高齢者医療における窓口負担割合の見直し

後期高齢者医療は、給付費の約 5 割を公費で、約 4 割を現役世代からの後期高齢者支援

金で、約 1 割を 75 歳以上の後期高齢者の保険料で負担する支え合いの仕組みであり、現
役世代の理解が不可欠である。
少子高齢化が進み、2022(令和 4)年度には団塊の世代が後期高齢者となり始め、後
期高齢者支援金の急増が見込まれる中、少しでも多くの方に「支える側」として活躍して
いただき、能力に応じた負担をしていただくことにより、現役世代の負担上昇を抑えてい
くことが必要である。
この窓口負担割合の見直しについては、現役世代の負担上昇をできるだけ抑え、全世代
型社会保障を推進する観点から、2022 年 10 月 1 日から施行することとした。高齢者の負
担能力や生活状況を踏まえた上で、後期高齢者のうち課税所得が 28 万円以上で、かつ、
単身者の場合には年収 200 万円以上、夫婦の場合には年収合計 320 万円以上の方に限っ
て、窓口 2 割負担とすることとした。
また、その際、必要な受診が抑制されないよう、2 割負担への変更による影響が大きい
外来患者について、施行後 3 年間、一月分の負担増を最大でも 3,000 円に収まるような配
慮措置を講じることとしている。

(2)傷病手当金の支給期間の通算化

健康保険においては、病気やけがの治療のため働くことができない場合に、直近 12 か

関して、支給を始めた日から起算して 1 年 6ヶ月を超えない期間とされており、その間に
期間に含まれる仕組みとされていた。
仕事と治療の両立の観点から、がん治療のために入退院を繰り返す場合などに柔軟に傷
病手当金を利用できるようにするため、出勤に伴い不支給となった期間がある場合には、
その分の期間を延長して傷病手当金の支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行っ
た。

(3)任意継続被保険者制度の見直し

健康保険においては、被保険者が退職した後も、本人の選択によって、引き続き 2 年間、

退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる任意継続被保険者制度が設
けられている。

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

一時的に労務可能となり、傷病手当金が支給されなかった期間についても、1 年 6ヶ月の

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手当金として支給することとされている。その支給期間については、同一の病気やけがに



月の標準報酬月額を平均した額の 30 分の 1 に相当する額の 3 分の 2 に相当する額を傷病

任意継続被保険者の保険料については、
「退職した時の標準報酬月額」又は「任意継続
被保険者が加入している保険者のすべての被保険者の標準報酬月額の平均に基づく標準報
酬月額」のいずれか低い額を基礎とすることとされていたが、それぞれの健康保険組合の
実状に応じた柔軟な制度とするため、健康保険組合がその規約で定めた場合には、
「退職
した時の標準報酬月額」を保険料の基礎とすることも可能とすることとした。
また、任意継続被保険者の生活実態に応じた加入期間の短縮化を支援する観点から、任
意継続被保険者からの申請による任意の資格喪失を可能とすることとした。

令和 4 年版

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