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令和4年版厚生労働白書 (302 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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図表 5-1-6

受給開始時期(繰上げ・繰下げ受給制度)の選択肢の拡大について

・公的年金の受給開始時期は、原則として、個人が 60 歳から 70 歳の間で自由に選ぶことができる。65 歳より早く受給を
開始した場合(繰上げ受給)には、年金月額は減額(最大 30%減額)となる一方、65 歳より後に受給を開始した場合
(繰下げ受給)には、年金月額は増額(最大 42%増額)となる。
・今回の改正で、この受給開始時期の上限を、70 歳から 75 歳に引き上げる。75 歳から受給を開始した場合には、年金月
額は 84%増額となる。(令和4年4月施行)
※繰上げによる減額率・繰下げによる増額率については、選択された受給開始時期にかかわらず年金財政上中立となるよう設定されている。
※繰下げについては、66 歳到達以降に選択することができる。
※改正後の繰下げについては、令和4年4月1日以降に 70 歳に到達する方が対象となる。

今回の改正で 75 歳まで
繰下げ可能となる
(84%増額)

42%増額

60 歳




5

65 歳

70 歳

75 歳

※世代としての平均的な
給付総額を示しており、
個人によっては受給期
間が平均よりも短い人、
長い人が存在する。

平均的な死亡年齢

65 歳からとなっている年金支給
開始年齢の引上げは行わない
(参考)繰上げ・繰下げによる減額・増額率
減額率・増額率は請求時点(月単位)に応じて計算される。
・繰上げ減額率=0.4%※×繰り上げた月数(60 歳~ 64 歳)
・繰下げ増額率=0.7%×繰り下げた月数(66 歳~ 75 歳)

若者も高齢者も安心できる年金制度の確立

請求時の年齢

60歳

減額・増額率 76%
(改正前)
(70%)

61歳

62歳

63歳

64歳

65歳

80.8%
(76%)

85.6%
(82%)

90.4%
(88%)

95.2%
(94%)

100%

66歳

67歳

※繰上げ減額率は令和4年4月1日以降、60 歳に到達す
る方を対象として、1月あたり 0.5% から 0.4%に改正。
68歳

69歳

108.4% 116.8% 125.2% 133.6%

70歳
142%

71歳

72歳

73歳

74歳

150.4% 158.8% 167.2% 175.6%

75歳
184%

③今後の課題
2020 年改正法の検討規定や附帯決議には、今後の課題として、被用者保険の更なる適
用拡大や、公的年金の所得再分配機能の強化等が盛り込まれた。
被用者保険の適用範囲については、本来、被用者である者には被用者保険を適用するこ
とが原則であり、被用者にふさわしい保障を短時間労働者の方々にも適用し、働き方や雇
用の選択を歪めない制度を構築するため、まずは 2024 年 10 月に 50 人超の規模まで、と
いう 2020 年改正法で定めた適用拡大を着実に進めることが必要である。このため、中小
企業の生産性向上に向けた支援、被用者保険の適用拡大に向けた周知や企業への専門家派
遣等の支援等の施策を通じて円滑な施行に向けた環境整備に努めた上で、更なる適用範囲
について検討を進めていく。
また、2019 年の財政検証結果では、経済成長と労働参加の進むケースでは引き続き、
所得代替率 50%以上を確保できることが確認された一方で、厚生年金の 2 階部分と比較
して、基礎年金のマクロ経済スライドの調整期間が長期化し、基礎年金部分の比率が減少
していくことが示されている。基礎年金は、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障
する所得再分配機能を有する給付であり、この機能を将来にわたって維持することは重要
である。このため、所得再分配機能の維持に向けてどのような方策が可能か、次期制度改
正に向けて検討を進めていく。

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令和 4 年版

厚生労働白書