よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和4年版厚生労働白書 (153 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第1部

社会保障を支える人材の確保

活かして地域で貢献したいなどの多様な希望に応じて、地域の高年齢者の雇用・就業促進
を図るため、地方自治体や地域福祉・地方創生など地域づくりを目指す民間団体など、地
域の様々な機関が連携して高年齢者の就業を促進する「生涯現役地域づくり環境整備事
等の高年齢者の多様な就業ニーズと地域ニーズをマッチングし、高年齢者の生きがいの充

けることとしている。

コラム

地域の介護施設で活躍する高年齢者
(山形県酒田市シルバー人材センター)

全国約 1,300 のシルバー人材センターで

であった。このため、地域の社会福祉法人や

は、約 70 万人の会員の就業ニーズを的確に

NPO 法人から講師を招き、「介護補助スタッ

捉え、地域社会や会員個々の希望と特性に

フ講習会」を開催して人材の発掘に努めてき

合った職域開拓に努めている。ここでは、会

た。

員が地域の介護現場を支えている事例を紹介
する。

高年齢者の新たな仕事の創出

講習会には多くの市民が参加し、介護に関
する基礎知識や介護施設の役割、傾聴の仕方
などを 1 日で学ぶ。講習終了後、受講者と施
設間での仕事のマッチングを図るため、セン

酒田市シルバー人材センター(以下、
「セ

ター職員が中心になり、自前の個別アセスメ

ンター」という。
)は、1983(昭和 58)年

ントシートを活用して受講生のニーズを丁寧

に設立され、2022(令和 4)年 1月現在で

に聞き取っている。

811人の会員が所属している。平均年齢は

仕事内容は、清掃や送迎、食事の配膳下

72.6 歳。2018(平成 30)年度より、地域に

膳、利用者の見守りや話し相手など、身体介

密着した就業の場を創出したいと考え、日頃

護や専門的な知識を必要としないものが中心

地元紙などでよく目にする介護の仕事に着目

となっている。会員となった受講生が今まで

し、介護サービス事業所を訪問して PR 活動

培ってきた人生経験からの知識や技術等得意

を行った。また、事業所と共同して人材発掘

分野が活かせるように、各施設の仕事とマッ

ができないかと考え、市内にある社会福祉法

チングし、就業時間も介護施設側と協議しな

人と連携し、講習会を開催する運びとなった。

がら、1 日 2、4、6、8 時間の中から選択で

人生経験で培った知識、技術を介護補助
業務で活かせるようマッチング
センターで

は2018年
11 月 よ り 介

担い手不足の克服に向けて

務の切り出し等により、高齢者が介護分野の担い手として積極的に活躍できる仕組みを設

2



実、社会参加の促進を通じて地域社会の活性化等を図っており、介護分野における周辺業



業」を 2022 年度から実施することとしている。シルバー人材センターでは、定年退職後

きるようにして、家事や孫の世話、趣味など
との両立や自分の体力に合わせた働き方がで
きるように提案している。

働きやすい環境をサポート

センターでは 1 人でも多くの会員が実際の

護補助業務へ

介護の現場を知ることができるよう、仕事の

新たな派遣を

契約前に職場見学を行っている。実際に施設

開始した。同

の業務内容や仕事の流れが把握でき、ミス

業務を受注す

マッチの解消が図られている。

るに当たって

一方、介護の現場では、職員同士の人間関

は、人材確保

係や利用者との関係性などコミュニケーショ

が急務の課題

ン面にストレスを感じる人がいる。そのた

令和 4 年版

厚生労働白書

139