令和4年版厚生労働白書 (385 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
加えて、2022 年 2 月下旬からは、5 歳から 11 歳までの子どもへの接種を開始した。
【治療薬の確保】
新型コロナウイルス感染症の患者の治療については、免疫抑制・調整薬や中和抗体薬、
経口の抗ウイルス薬が利用可能となるなど、選択肢が確実に増えてきている。
抗ウイルス薬については、2020 年 5 月 7 日に特例承認された「レムデシビル」が、
2021 年 8 月 12 日に薬価基準に収載され、10 月 18 日に一般流通が開始された。また、12
月 24 日には経口薬「モルヌピラビル」が、2022 年 2 月 10 日には経口薬「ニルマトレル
ビル/リトナビル」がそれぞれ特例承認された。免疫抑制・調整薬については、2021 年
4 月 23 日に「バリシチニブ」が、2022 年 1 月 21 日には「トシリズマブ」がそれぞれ適
応追加の承認を受けた。中和抗体薬については、軽症から中等症(Ⅰ)の患者を投与対象
とする初めての治療薬として 2021 年 7 月 19 日に「カシリビマブ/イムデビマブ」が、9
月 27 日には、「ソトロビマブ」がそれぞれ特例承認され、医療現場に供給されている。こ
れらの中和抗体薬については、短期入院による投与や投与後の観察体制の確保等の一定の
要件を満たした医療機関による自宅療養者に対する外来・往診での投与等の取組みを進め
和活性が低下することが報告されている。
これらを踏まえ、オミクロン株に効果が示唆される軽症から中等症(Ⅰ)向けの治療薬
は、経口の抗ウイルス薬「モルヌピラビル」
、
「ニルマトレルビル/リトナビル」
、中和抗
体薬「ソトロビマブ」、抗ウイルス薬「レムデシビル」の 4 種類が揃うこととなり、患者
の状態や薬剤の特性等に応じて、適切に選択し活用することが可能となっている。
「モル
ヌピラビル」については、2022 年 3 月末時点で、約 27,700 の医療機関と約 19,800 の薬
第
局が登録を終え、このうち、約 23,200 の医療機関・薬局に対して、約 209,700 人分の薬
健康で安全な生活の確保
てきた。ただし、「カシリビマブ/イムデビマブ」については、オミクロン株に対する中
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剤を配送し、約 134,700 人に投与されている。
章
【水際対策の強化】
新型コロナウイルス感染症の国内への流入を防ぐため、水際対策として、出国前 72 時
間以内の検査証明の提出と入国時の検査、検疫所長が指定する場所での 14 日間の待機及
び公共交通機関不使用等を要請してきた。新たな変異株が発生した場合には、水際対策を
強化し、国内でのまん延をできるだけ遅らせ、その間に国内の検査体制や医療体制等の整
備のための時間を確保することが重要となる。その上で、国内において当該変異株が支配
的になった場合には、徐々に水際対策から国内体制の整備へと重点を移していく。
2021 年 5 月、デルタ株が発生したことを受けて、同月 10 日 より、流行している国・
地域(インド、パキスタン、ネパール、以降順次指定)からの入国者について、検疫所が
確保した施設での待機を要請し、入国後 3 日目及び 6 日目の検査を追加的に実施すること
とし、同月 25 日には、インド等の変異株流行国を最長 10 日の施設待機に指定(一部の国
は再入国拒否対象)した。また、同年 9 月 17 日 には、デルタ株が日本国内で支配的に
なったことや新たな変異株の出現を踏まえ、水際対策上特に対応すべき変異株からデルタ
株を外し、ベータ株、ガンマ株、ラムダ株、ミュー株について、流入リスクに応じて施設
待機日数を 10・6・3 日に分類して指定した。
令和 4 年版
厚生労働白書
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