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令和4年版厚生労働白書 (151 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第1部

社会保障を支える人材の確保

子育て中医師のキャリア支援~医師が勤務したい病院へ
(筑波大学附属病院)

コラム

的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進

病院長)の臨床研修医も女性の占める割合は

プログラム」に「女性医師看護師キャリア

35%程度である。今後もその割合は高まる

アップ支援システム」
(以下「支援システム」

ことが予想されており、2024(令和 6)年

という。)が採択され、女性医師・看護師の

の医師の時間外・休日労働の上限規制への対

離職防止、復職支援を積極的に行ってきた。

応も含め、これからの病院には医師が働き続

この支援システムでは、子育て中で多忙で

けられる勤務環境の改善が望まれる。

女子医学生、研修医のキャリア観

あっても、少しずつマイペースでキャリア
アップしていけることがモチベーションの向
上につながると考え、キャリア支援を積極的

筑波大学附属病院で臨床実習を行っていた

に行っており、特に専門医の取得は最大の研

女 子 医 学 生(4 年 生 37 名、5 年 生 16 名 )


修目標である。支援システムの特徴は、キャ

女性臨床研修医(1 年目 17 名、2 年目 28 名)

リアコーディネーター(医師)が、支援を希

に 2013(平成 25)年 2 月に行ったアンケー

望する女性医師個人に合わせた研修をコー

トでは、進路を選択する際、考慮した(する)

ディネートすることにある。一口に女性医師

ことについては、
「 疾 患 への学問的興味 」

といっても、専門分野、それまでのキャリア

(69.9%)

「やりがいがある」
(69.9%)をあ

は人それぞれであり、画一的な支援プログラ

げる者が多かった。また、医師として仕事を

ムでは対応が困難である。本プログラムの参

することへの不安については、
「家庭と仕事

加者には初めに研修の目的を立ててもらい、

の両立」

「結婚出産のタイミング」

「体力不

その上で所属する診療科とも相談して、経験

足への不安」に関することがあげられていた。

に応じた診療・研修プログラムをオーダーメ

また、2018(平成 30)年 4 月から新専門

イドで作成している。

医制度が導入されたが、医療従事者専用サイ

勤務時間は、個々の事情に合わせて半日~

トの m3.com が 2017(平成 29)年に医師

32 時間 / 週で設定が可能であり、育児とキャ

(女性 252 人、男性 248 名)に行ったアン

リアアップの両立を図ることができる。この

ケート調査

*1

では、女性医師の 61.5%が制

度導入により専門医取得が困難になるのでは
ないかと回答している。女性医師も将来に不
安を持ちながらも、興味ややりがいがある分
野で専門医を取って活躍したいと考えている
ことが推察され、子育て中の医師の支援はこ
のことを考慮して行われることが望まれる。

支援システムが始まってからこれまで 76 人
の女性医師がこの仕組みを活用してきた。

男女ともに働きやすい環境の整備のため
の取組み

筑波大学附属病院では、以下の取組みを

行っている。
「パートタイム常勤制度」:常勤職員であり

筑波大学附属病院の女性医師キャリア
アップシステム

ながら、勤務時間を週 20~30 時間とする新

今までよく見られた女性医師支援は、勤務

支援の多くが就学前の子供のいる医師に限ら

の調整がしやすい外来中心の非常勤勤務の体

れる中、この制度では小学校 3 年生までの子

制や、産前産後休暇、育児休業の取得、保育

供を持つ医師が対象となっていて、いわゆる

所の整備といったものが多かったが、さらに

‘ 小学 1 年生の壁 ’ にも対応している。

たな雇用制度を導入した。他施設での子育て

一歩踏み出すのであれば、キャリア支援が大

「保育所や搾乳室等の整備」:保育時間は 7

切である。筑波大学附属病院では、2007

時~22 時、365 日開園している保育所が事

*1

2

担い手不足の克服に向けて

約 3 分の 1 であり、筑波大学附属病院(原晃



(平成 19)年度文部科学省「地域医療等社会


近年の医学部入学者に占める女性の割合は

m3.com/ 医療維新 .「女医の悩み 2017」調査
https://www.m3.com/news/iryoishin/510136

令和 4 年版

厚生労働白書

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