令和4年版厚生労働白書 (229 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
(5)いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理について
人手不足や労働者のニーズの多様化、季節的な需要の繁閑への対処等を背景として、
パートタイム労働者やアルバイトを中心に、いわゆるシフト制(あらかじめ具体的な労働
が、多くの事業場において取り入れられている。
れなかったり、労働者の希望を超える労働日数が設定されたりすることにより、労働紛争
の発生も懸念される。
このため、シフト制に関する適切な雇用管理を促すことを目的として、2022(令和 4)
年 1 月に、使用者が現行の労働関係法令等に照らして留意すべき事項について一覧性を
もってとりまとめた「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行
うための留意事項」を作成するとともに、関係団体を始めとして幅広く周知を行ってい
る。
(6)特定の労働分野における労働条件確保対策
技能実習生等外国人労働者、自動車運転者等の法定労働条件を確保するため、関係機関
とも連携し、労働基準関係法令の周知等を図るとともに、同法令違反の疑いがある事業場
に対しては、監督指導を実施するなどの必要な対策を講じている。
働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など
約当事者双方にメリットがあり得る一方、使用者の都合により、労働日がほとんど設定さ
2
章
こうした形態は、その時々の事情に応じて柔軟に労働日・労働時間を設定できる点で契
第
日、労働時間を決めず、シフト表等により柔軟に労働日、労働時間が決まる勤務形態)
技能実習生については、違法な時間外労働、賃金不払残業、労働災害防止の措置の未実
施など、法定労働条件に問題があると考えられる実習実施者に対して重点的に監督指導を
実施し、確認した法違反の是正を指導している。また、技能実習生に対する人身取引が疑
われる事案については、外国人技能実習機構等との合同監督・調査を実施し、重大又は悪
質な事案については司法処分にするなど厳正に対処している。
自動車運転者については、依然として長時間労働の実態が認められるところであり、労
働基準関係法令のみならず改善基準告示の遵守徹底を図るための監督指導を行っている。
また、自動車運転者に係る賃金制度のうち、累進歩合制度については、長時間労働やス
ピード違反を極端に誘発するおそれがあり、交通事故の発生も懸念されることから、その
廃止に係る指導等について、引き続き徹底を図っている。
(7)司法処分について
労働基準監督機関が行った監督指導の結果、重大又は悪質な法違反が認められた場合に
は、司法処分を含め厳正に対処しており、2020(令和 2)年における送検件数は 887 件
となっている。
2
最低賃金制度について
日本では労働者の生活の安定や労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保に資するこ
となどを目的として最低賃金制度を設けている。最低賃金制度は、国が法的強制力をもっ
て賃金の最低額を定め、使用者はその金額以上の賃金を労働者に支払わなければならない
こととするものである。
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厚生労働白書
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