令和4年版厚生労働白書 (297 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
年金を含む標準的な年金額*2)が月額 219,593 円、国民年金(1 人分の老齢基礎年金(満
額))が月額 64,816 円となっている。
第1節
1
持続可能で安心できる年金制度の運営
持続可能で安定的な公的年金制度の確立
(1)2019 年公的年金財政検証と今後の見通し
年金制度では、少なくとも 5 年に一度、将来の人口や経済の前提を設定した上で、長期
的な年金財政の見通しやスライド調整期間の見通しを作成し、年金財政の健全性を検証す
る「財政検証」を行っている。2004(平成 16)年改正以前は、給付に必要な保険料を再
計算していたが(「財政再計算」と呼ぶ)、2004 年改正により、保険料の上限を固定し、
2019(令和元)年財政検証では、幅の広い 6 ケースの経済前提を設定し、どのような
金制度にとって何が重要なファクターなのか、また、持続可能性や年金水準の確保のため
にどのような対応があり得るのかなど、様々な議論のベースを提供できる検証作業となる
よう留意した。こうした財政検証の結果、経済成長と労働参加が進むケースでは、今の年
金制度の下で、将来的に所得代替率 50%の給付水準が確保できることが確認された(図
表 5-1-1)。
また、今回の財政検証とあわせて一定の制度改正を仮定したオプション試算を実施し
た*3。その結果、被用者保険の更なる適用拡大、就労期間・加入期間の延長、受給開始時
期の選択肢の拡大といった制度改正を行うことが年金の給付水準を確保する上でプラスの
効果を持つことが確認された。
若者も高齢者も安心できる年金制度の確立
経済状況の下ではどのような年金財政の姿になるのかということを幅広く示すことで、年
5
章
換した。
第
給付水準の自動調整を図る仕組みの下で年金財政の健全性を検証する現在の財政検証へ転
*2
厚生年金は、夫が平均的収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9 万円)で 40 年間就業し、妻がその期間全て専業主婦であった世
帯が年金を受け取り始める場合の給付水準である。
* 3 オプションの内容は以下の通り。
①被用者保険の更なる適用拡大
②保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択
③組み合わせ試算
(参考試算)年金額改定ルールの効果
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厚生労働白書
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