令和4年版厚生労働白書 (427 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
ているほか、一般消費者を調査員とし、全国の薬局・店舗販売業等を対象とした、医薬品
の販売ルールを遵守しているかを確認する調査を行っている。
4
医療用医薬品の品質確保対策
(1)偽造品対策
2017(平成 29)年 1 月、C 型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が卸売販売業
者を通じて流通し、奈良県内の薬局において調剤され、患者の手に渡る事案が発生した。
偽造品を使用した場合、期待する治療効果が得られないばかりでなく、成分によっては健
康被害をもたらす可能性もあり、偽造品の流通は保健衛生上の大きな問題である。
本事案の発生を受け、2017 年 3 月から開催した「医療用医薬品の偽造品流通防止のた
めの施策のあり方に関する検討会」のとりまとめを踏まえ、2017 年 10 月に、薬局開設
者等に課される医薬品の譲受・譲渡時の記録事項として、品名、数量、氏名、取引年月日
に加えて相手方の身元確認の方法、ロット番号、使用期限等を追加すること等について省
令改正を行った。
一方、海外から個人輸入により国内に入ってくる医薬品については、その一部に偽造品
ブツ連絡ネット」を開設し、個人輸入された医薬品等に関連する健康被害事例、医薬品の
違法な販売等の事例の収集、広報啓発ホームページ(https://www.yakubutsu.mhlw.
go.jp/)や Twitter などを通じた国民への情報提供、コールセンターにおける国民からの
相談対応を実施している。
さらに、2014(平成 26)年からインターネットパトロール事業を開始し、医薬品の不
正なインターネット販売を能動的に監視し、違反サイトについてはレジストラ等にドメイ
第
ンの停止を要請するなどの対応を行っている。
健康で安全な生活の確保
が存在することが以前から知られていることから、2013(平成 25)年に「あやしいヤク
また、模造医薬品の流通等の不正事案に迅速に対処するため、2020(令和 2)年 9 月
8
章
に麻薬取締官及び麻薬取締員に模造医薬品に関する取締り権限が付与された、2021(令
和 3)4 月に初の摘発事例として、麻薬取締部において販売目的で貯蔵された模造医薬品
100 錠を押収した。
(2)後発医薬品等への信頼回復
2020(令和 2)年 12 月、後発医薬品の製造過程において、承認書に記載の無い医薬品
原薬が混入し、当該医薬品を服用した患者に、重大な健康被害が多数生じる事案が発生し
た。事案発生後、速やかに厚生労働省より関係業界団体宛に製造管理徹底に係る通知を発
出するとともに、国、PMDA 及び県による立入検査を行い、医薬品医療機器等法及び関
連省令違反事実を確認し、県より業務停止命令及び業務改善命令の行政処分を行った。
2021(令和 3)年以降、別の後発医薬品等の製造業者において、製造管理上の法令違
反が発覚し行政処分の対象となるなど、後発医薬品等の品質や安全性に対する国民の信頼
を失墜させる事案が続いて発生した。これらを踏まえ、類似事案の再発を防止し、医薬品
の適切な品質と安全性を確保するため、①医薬品製造販売業者等に対する法令遵守体制整
備の義務付け、②製造業者に対する無通告立入検査の強化、③行政処分基準の厳格化など
の措置を講じた。今後も、後発医薬品等の信頼回復に向けて必要な監視指導の強化など対
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厚生労働白書
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