令和4年版厚生労働白書 (183 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf |
出典情報 | 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》 |
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児童福祉法等の一部を改正する法律案の概要
第
図表 1-4-1
現下の政策課題への対応
2.一時保護所及び児童相談所による児童への処遇や支援、困難を抱える妊産婦等への支援の質の向上【児童福祉法】
① 一時保護所の設備・運営基準を策定して一時保護所の環境改善を図る。児童相談所による支援の強化として、民間との協働による
親子再統合の事業の実施や、里親支援センターの児童福祉施設としての位置づけ等を行う。
② 困難を抱える妊産婦等に一時的な住居や食事提供、その後の養育等に係る情報提供等を行う事業を創設する。
子どもを産み育てやすい環境づくり
改正の概要
1.子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化及び事業の拡充【児童福祉法、母子保健法】
① 市区町村は、全ての妊産婦・子育て世帯・子どもの包括的な相談支援等を行うこども家庭センター(※)の設置や、身近な子育て
支援の場(保育所等)における相談機関の整備に努める。こども家庭センターは、支援を要する子どもや妊産婦等への支援計画(サ
ポートプラン)を作成する。
※子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターを見直し。
② 訪問による家事支援、児童の居場所づくりの支援、親子関係の形成の支援等を行う事業をそれぞれ新設する。これらを含む家庭支
援の事業について市区町村が必要に応じ利用勧奨・措置を実施する。
③ 児童発達支援センターが地域における障害児支援の中核的役割を担うことの明確化や、障害種別にかかわらず障害児を支援できる
よう児童発達支援の類型(福祉型、医療型)の一元化を行う。
1
章
改正の趣旨
児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ、子育て世帯に対
する包括的な支援のための体制強化等を行う。
3.社会的養育経験者・障害児入所施設の入所児童等に対する自立支援の強化【児童福祉法】
① 児童自立生活援助の年齢による一律の利用制限を弾力化する。社会的養育経験者等を通所や訪問等により支援する拠点を設置する
事業を創設する。
② 障害児入所施設の入所児童等が地域生活等へ移行する際の調整の責任主体(都道府県・政令市)を明確化するとともに、22 歳まで
の入所継続を可能とする。
4.児童の意見聴取等の仕組みの整備【児童福祉法】
児童相談所等は入所措置や一時保護等の際に児童の最善の利益を考慮しつつ、児童の意見・意向を勘案して措置を行うため、児童の意
見聴取等の措置を講ずることとする。都道府県は児童の意見・意向表明や権利擁護に向けた必要な環境整備を行う。
5.一時保護開始時の判断に関する司法審査の導入【児童福祉法】
児童相談所が一時保護を開始する際に、 親権者等が同意した場合等を除き、 事前又は保護開始から7日以内に裁判官に一時保護状を請
求する等の手続を設ける。
6.子ども家庭福祉の実務者の専門性の向上【児童福祉法】
児童虐待を受けた児童の保護等の専門的な対応を要する事項について十分な知識・技術を有する者を新たに児童福祉司の任用要件に追
加する。
※当該規定に基づいて、子ども家庭福祉の実務経験者向けの認定資格を導入する。
※認定資格の取得状況等を勘案するとともに、業務内容や必要な専門知識・技術、教育課程の明確化、
養成体制や資格取得者の雇用機会の確保、といった環境を整備しつつ、その能力を発揮して働くこ
とができる組織及び資格の在り方について、国家資格を含め、施行後2年を目途として検討し、そ
の結果に基づいて必要な措置を講ずる。
7.児童をわいせつ行為から守る環境整備(性犯罪歴等の証明を求める仕組み(日本版 DBS)の導入に先駆けた取組強化)等【児童福祉
法】
児童にわいせつ行為を行った保育士の資格管理の厳格化を行うとともに、ベビーシッター等に対する事業停止命令等の情報の公表や共
有を可能とするほか、児童福祉施設等の運営について、国が定める基準に従い、条例で基準を定めるべき事項に児童の安全の確保を加
えるなど所要の改正を行う。
施行期日
令和 6 年 4 月 1 日(ただし、5 は公布後 3 年以内で政令で定める日、7の一部は公布後 3 月を経過した日、令和5年4月1日又は公布後 2
年以内で政令で定める日)
②児童相談所虐待対応ダイヤル「189」等について
児童虐待を受けたと思われる子どもを見つけた時などに、ためらわずに児童相談所に通
告・相談ができるように、2015(平成 27)年 7 月 1 日から、児童相談所全国共通ダイヤ
ルについて、これまでの 10 桁番号から 3 桁番号「189(いちはやく)」を運用している。
さらに、児童相談所につながるまでの時間短縮を進めるため、2016(平成 28)年 4 月に
音声ガイダンスの短縮や、2018 年 2 月に携帯電話等からの入電についてコールセンター
方式を導入した。また、2019 年 12 月には、
「児童相談所全国共通ダイヤル」を「児童相
談所虐待対応ダイヤル」と名称を変更し、相談については「児童相談所相談専用ダイヤ
ル」(0120-189-783)を開設した。
「児童相談所虐待対応ダイヤル」及び「児童相談所相
令和 4 年版
厚生労働白書
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