令和5年版厚生労働白書 全体版 (109 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
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援を行っている。また、地域課題の解
お話会。フリーランスを中心とした民
第 1 部 つながり・支え合いのある地域共生社会
間団体、久留米市社会福祉協議会、市
決に取り組む人、自身の興味関心から
で協働して開催している。特定の目的
多世代が混じり合い〝〇〇し合える″
地域へ
コラム
第
(福岡県久留米市)
地域活性化に関わる人など様々な考
や成果は設定せず、参加者はただ「ロ
・はじロマ会
今、地域社会では、つながりの希薄化や、 マンを話す・ロマンに浸る」だけ。初
えを持つ人が出会う場づくりにも力
「地域福祉って何?」という問いへの答え
複合的な悩みを抱える世帯の増加など、様々
を入れている。住民が主体となって繰
めて会った人同士なのに、ロマンを通
を模索していく中で生まれたお話会。フリー
な課題に直面している。そんな中で、多世代
ランスを中心とした民間団体、久留米市社会
の交流や居場所づくりなど、住民主体の多様
り広げられている活動として、次のよ
した対話によりすっかり打ち解け、終
福祉協議会、市で協働して開催している。特
な活動を次々と生み出している福岡県久留米
うなものがある。
わる頃にはずっと前から知っている
定の目的や成果は設定せず、参加者はただ
市の取組みを紹介する。
「ロマンを話す・ロマンに浸る」だけ。初め
・
「本業+αプロジェクト」
ような関係に。会で知り合った者同士
3
て会った人同士なのに、ロマンを通した対話
多様な市民活動が生まれる工夫
によりすっかり打ち解け、終わる頃にはずっ
久留米市は、人口約
30 万人の中核市であ
本業に「+α」
を加えることで、
様々
が各自の得意分野を持ち寄った事業
と前から知っているような関係に。会で知り
り、福岡県内では 3 番目の人口を擁してい
な人が集える居場所を増やしていく
を始めるなど、新たな取組みが生まれ
合った者同士が各自の得意分野を持ち寄った
る。市は、住民・民間団体・企業・市等が共
章
「つながり・支え合い」のある地域共生社会の実現を目指して
事業を始めるなど、新たな取組みが生まれる
に地域の課題を解決する「協働のまちづく るきっかけにもなっている。
という発想のもとで生まれたプロジ
きっかけにもなっている。
り」を目指しており、地域コミュニティ組織
ェクト。例えば、本業は当地の伝統工
による活動や事業を後押しするよう財政的な
支援を行っている。また、地域課題の解決に
芸である久留米絣(かすり)屋、それ
取り組む人、自身の興味関心から地域活性化
にプラスして駄菓子屋、さらにプラス
に関わる人など様々な考えを持つ人が出会う
場づくりにも力を入れている。住民が主体と
してまちの「居場所」
「相談場所」
。い
なって繰り広げられている活動として、次の
くつもの顔を持つ店舗を発掘してい
ようなものがある。
くことで、こどもから高齢者まで多く
・「本業+αプロジェクト」
本業に「+α」を加えることで、様々な人
の人が集い、緩やかに見守り合えるま
が集える居場所を増やしていくという発想の
ちづくりを目指している。
・じじっか
もとで生まれたプロジェクト。例えば、本業
・じじっか
は当地の伝統工芸である久留米絣(かすり)
「実家よりも実家」をコンセプトにした子
・
「久留米 万人女子会」
「実家よりも実家」をコンセプトに
屋、それにプラスして駄菓子屋、さらにプラ
育て拠点。「ひとり親、ふたり親ではなくて
スしてまちの「居場所」「相談場所」。いくつ
7 人親」を目標に、地域の方・企業などの協
もの顔を持つ店舗を発掘していくことで、こ
力を得て、ひとり親家庭への食事提供や、使
どもから高齢者まで多くの人が集い、緩やか
わなくなったおもちゃのプレゼントなどを
に見守り合えるまちづくりを目指している。
行っている。他にも、「3 人 4 脚プロジェク
ト」、「欲望形成講座」等のユニークなネーミ
・「久留米 10 万人女子会」
ングで様々な活動を展開している。じじっか
10 万人の女性が女性自身の課題解決や地
に行くと、おなかいっぱい食事ができたり、
域のつながりを形成することを目的にスター
何気ない日常を共に過ごす人がいたりする。
ト(久留米市の成人女性人口は約 13 万人)。
まさに大家族のような、人とのつながりの豊
活動を重ねる中で、地域で見過ごされている
かさを実感できる場となっている。
課題に着目した新たな取組みが生まれてい
る。例えば、「近くにスーパーがない」との
声に応えて、移動販売を行ったり、「水害が
心配」との悩みには危険箇所を見回るお散歩
ラボ会を開催したり。地域の困りごとを皆で
話し合い、解決している。
広報による後押し
こうした様々な取組みを多くの市民に知っ
てもらうことも重要だ。市では、地域福祉マ
ガジン「グッチョ」を発行し、住民の多様な
支え合いを広報している。「グッチョ」とは、
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