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令和5年版厚生労働白書 全体版 (73 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第1部

つながり・支え合いのある地域共生社会

とで、このような課題に直面したときに、適切な支援につながりにくい可能性も考えられる。
さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、人と人との接触が減ったことで、
人間関係が更に希薄化し、生きづらさ、孤独・孤立の課題を抱える方の存在が明らかになった。


この節では、従来のような属性別・対象者別の制度にまたがる横断的な課題、制度の狭
間にある課題、新型コロナウイルス感染症などの影響で顕在化した課題の現状とその取組

2



みについて、具体的に見てみたい。

福祉制度の概要と複雑化する課題

2 ひきこもり

(ひきこもり状態は、家庭内だけで解決することは難しく、約半数の方が 3 年以上にわ
たっている)
「ひきこもり」とは、様々な要因の結果として、就学や就労、交遊などの社会的参加を回避し、
原則的には6か月以上にわたっておおむね家庭内にとどまり続けている状態を指す現象概念であ
*13
「ひきこもり」状態になる背景には、様々な要因があり、家族内だけで解決することは難しい。
る。

内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和 4 年度)
」によると、広義のひ
き こ も り 状 態 の 者*14 は、 男 女 割 合 で み る と、15~39 歳 で は 男 性 が 53.5%、 女 性 が
45.1%であり、40 歳~64 歳では男性が 47.7%、女性が 52.3%であった。年齢割合は、
15 歳~39 歳の中では、25~29 歳の割合(23.6%)が最も高く、40 歳~64 歳の中では、
60~64 歳の者の割合(36.0%)が最も高い(図表 2-2-1)。ひきこもりの状態になってか
らの期間は、15~39 歳と 40 歳~64 歳のいずれにおいても、20%以上の者が「7 年以上」
であり、約半数の者が「3 年以上」となっている(図表 2-2-2)。
図表 2-2-1

ひきこもり状態の人(年齢別)

15歳~39歳のひきこもり状態の人
15歳~39歳のひきこもり状態の人
(年齢別)
(年齢別)

40歳~64歳のひきこもり状態の人
40歳~64歳のひきこもり状態の人
(年齢別)
(年齢別)
9.3

9.3
20.8%

20.8%

21.5%

21.5%

12.8

36.0
16.0%

18.1%

23.6%
15歳~19歳
30歳~34歳

20歳~24歳
35歳~39歳

16.0%
n=144

15歳~19歳
25歳~29歳
30歳~34歳

18.1%

23.6%
20歳~24歳
35歳~39歳

12.8

36.0

18.6

18.6

n=144
25歳~29歳

23.3
40歳~44歳
55歳~59歳

45歳~49歳
60歳~64歳

n=86

n=86

23.3

40歳~44歳
50歳~54歳
55歳~59歳

45歳~49歳
60歳~64歳

50歳~54歳

資料:内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和 4 年度)」

* 13 平成19 年度から平成 21年度に取り組まれた厚生労働科学研究「思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治
療・援助システムの構築に関する研究(主任研究者齋藤万比古:国立国際医療研究センター国府台病院)
」において作成された「ひきこもり
の評価・支援に関するガイドライン」では、
「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での
交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)
を指す現象念」と定義。なお、
「ひきこもりは原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状態とは一線を画した非精
神病性の現象とするが、実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれている可能性は低くないことに留意すべき」としている。
* 14 内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和 4 年度)」においては、「普段どのくらい外出しますか」の問に対して、「普
段は家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」、「普段は家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」

「自室からは
出るが、家からは出ない」又は「自室からほとんど出ない」のいずれかと回答し、かつ、その状態となって 6ヶ月以上経つと回答した者
の合計から、一定の類型に該当する者を除いた数。同調査における有効回収数に占める割合は、15~39 歳が 2.05%、40~64 歳が
2.02%であった。標本誤差(信頼度 95%)は、15~39 歳では± 0.47%、40~64 歳では± 0.60%である。

令和 5 年版

厚生労働白書

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