令和5年版厚生労働白書 全体版 (78 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
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支援の選択肢を増やすためには、福祉関係機関だけでなく、様々な機関の連携が求められる。
例えば、内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査」では、広義のひきこもりの状態の
第
章
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者が現在の外出状況になった主な理由(複数回答)として、15~39 歳の18.1%の者が「中学
校時代の不登校」と、また12.5%が「学校になじめなかったこと」と回答しており、教育関係
機関と福祉関係機関が連携することで、不登校児童生徒に向けた適切な支援が実現し得る。ま
福祉制度の概要と複雑化する課題
た、農業者と福祉関係機関が連携する農福連携により、社会参画に向けた取組みも可能となる。
(行政機関だけでなく、官民の枠を超えた連携として、市町村プラットフォームの更なる
設置が必要)
さらに、行政機関だけではなく、官民の枠を超えた連携を進めるため、市町村プラット
フォームの設置を進めている。市町村プラットフォームは、就職氷河期世代*18 の支援*19
の一つとして、特にひきこもり状態にある方などの支援を行うもので、地域資源の把握や
適切な支援機関へのつなぎなどを行っている(図表 2-2-7)。
図表 2-2-7
市町村プラットフォームの概要
ひきこもり状態にある方など社会参加に向けた支援を必要とする方への支援
~就職氷河期世代支援 市町村プラットフォーム~
■就職氷河期世代支援の推進に当たり、ひきこもり状態にある方など社会参加に向けた支援を必要とする方への支
援体制の構築に向けて、全ての市区町村に対し、原則、令和3年度末までに①~③の取組を要請
(R2.10.27通知)
①ひきこもり状態にある方等が支援につながるためのひきこもり相談窓口の明確化・周知
②地域における支援内容・体制の検討や目標共有のための支援対象者の実態やニーズの把握
③関係機関による支援や支援の気運醸成のための市町村プラットフォームの設置・運営
【就職氷河期世代支援に関する新行動計画2023】
市町村プラットフォームについては、引き続き、都道府県が出張相談や研修会等を通じて市町村の課題を把握しつつ、その取組を促すととも
に、小規模な自治体は広域で設置する等の工夫もこらしながら、「第二ステージ」において設置自治体を拡大すべく、未設置の市町村に対し要
請していく。
都道府県プラットフォーム
【市町村プラットフォーム】
新たな会議体の設置を求めるものではなく、
・既存の会議体の活用(自立支援調整会議、地域ケア会議等)
・各機関の担当者が相互かつ適時に連絡・情報共有できる関係性の構築
によるプラットフォームの設置・運営を想定(小規模自治体は広域での設置も可)
若者サポート
ステーション
/ハローワーク
NPO
法人
社会福祉協議会
/民生委員
②情報共有・連携・つなぎ
地域における多様な社会資源が参画
(設置例)
自立相談
支援機関
当事者会
・家族会
【事務局】
市区町村の
担当部局
都道府県
福祉部局
支援
・都道府県労働部局
・経済団体等
連絡・
情報共有
①相談
ひきこもり地域支
援センター
保健
センター
③相談・専門機関へのつなぎ・
居場所への参加など、
一人ひとりの状況に応じた支援
資料:厚生労働省社会・援護局作成
市町村の関係部局(福祉関係、教育関係、農林関係、労働関係などの各部局)に加え、民間団
体、民間企業、NPO法人などの地域の社会資源が、市町村プラットフォームに参画し、官民の枠
を超えて連携することで、地域の特性を活かした多面的な支援体制を構築することが可能となる。
2022(令和 4)年 3 月末現在で、約 6 割の市町村に設置されており、今後、更なる設置
や関係機関の参画が求められる(図表 2-2-8)。
* 18 いわゆる就職氷河期世代とは、おおむね 1993(平成 5)年から 2004(平成 16)年に学校卒業期を迎えた世代である。就職氷河期
世代に対する支援としては、2019(令和元)年に取りまとめられた「経済財政運営と改革の基本方針 2019」
(2019 年 6 月 21 日閣議決
定)における「就職氷河期世代支援プログラム」で 2020(令和 2)年度からの 3 年間で集中的に取り組むという政府全体の方針が示さ
れた。また、同プログラムに盛り込まれた各施策を具体化した「就職氷河期世代支援に関する行動計画 2019」に基づき、各種支援を推
進している。同計画は、2022(令和 4)年 12 月に「就職氷河期世代支援に関する新行動計画 2023」として改訂版がとりまとめられた。
* 19 就職氷河期世代の支援は、このほか、地域のプラットフォーム等を活用した社会機運の醸成、不安定な就労状態にある者への支援
(ハローワークにおける就職氷河期世代の相談等に対応する専門窓口の体制の拡充など)、長期にわたり無業の者への支援(地域若者サ
ポートステーションにおける支援対象の拡充(15~39 歳→ 15~49 歳)など)を実施している。
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