令和5年版厚生労働白書 全体版 (405 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
3 輸入食品の安全性確保
食品流通のグローバル化の進展、消費者ニーズの多様化などを背景に、輸入食品の届出
件数は増加傾向にある。増加する輸入食品の安全性を確保するため、年度ごとに「輸入食
品監視指導計画」を策定し、効率的かつ効果的な監視指導に取り組んでいる。この計画で
は、輸出国、輸入時(水際)、国内流通時の三段階で関係行政機関が対策を講ずることと
している(図表 8-11-6)
。
輸出国での衛生管理対策として、輸入食品に
ついて違反が確認された場合は、輸出国政府な
どに対して原因の究明及び再発防止対策の確立
を要請するとともに、二国間協議を通じて生産
段階などでの衛生管理の実施、監視体制の強
化、輸出前検査の実施などの推進を図ってい
る。また、中国及びカナダ等の現地日本大使館
等に担当官を配置するほか、輸出国に対して、
必要に応じ日本から担当官を派遣し、衛生管理対策の調査や要請などを実施している。引
画的に主要な輸出国の衛生管理体制に関する情報収集を進めていく。
輸入時(水際)の対策では、輸入業者に対して、輸入
の都度、届出を義務づけ、事業者からの輸入前相談に対
応するとともに、多種多様な輸入食品を幅広く監視する
ため、年間計画に基づくモニタリング検査を実施してい
る。モニタリング検査における違反状況を踏まえ、違反
第
の可能性が高いと見込まれる輸入食品については、輸入
健康で安全な生活の確保
き続き、二国間協議及び現地調査を通じて輸出国段階の衛生管理対策を検証するほか、計
8
の 都 度、 輸 入 者 に 対 し て 検 査 命 令 を 実 施 し て い る。
章
2021(令和 3)年度には、約 246 万件の輸入届出に対
して 49,493 件のモニタリング検査、66,018 件の検査
命令及び 87,764 件の指導検査などを実施しており、そ
のうち、違反と確認されたものは 809 件(届出件数の
0.03%)である。違反の内容としては、冷凍食品の成
分規格違反、添加物の使用基準違反、野菜の残留農薬基準違反など食品の成分規格違反が
多く、こうした違反が確認された食品については、廃棄、積戻しなどの措置を講じてい
る。また、法違反食品の輸入を未然に防ぎ、効率的に輸入食品の安全性を確保するため、
輸入前相談の実施をより一層推進し、検疫所間において輸入前相談の情報共有を図ること
としている。
国内流通時の対策では、都道府県等が店舗等から輸入食品を抜き取り、検査や指導を
行っている。違反と確認された際は、廃棄等の措置を講ずるとともに、厚生労働省は通報
を受け、輸入時監視の強化を図っている。
また、輸入食品の安全性確保について消費者や事業者の理解が深まるよう、リーフレッ
トや動画を作成し、厚生労働省ホームページに掲載している。
令和 5 年版
厚生労働白書
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