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令和5年版厚生労働白書 全体版 (48 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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孤立に悩む状態に至っても可能な限り速やかに当事者の望む状態に戻れるように取り組む
ことが重要である。また、孤独・孤立に関して当事者や家族などが置かれている具体的な
状況は多岐にわたり、孤独・孤立の感じ方・捉え方も人によって多様であるため、多様な

社会保障を取り巻く環境と人々の意識の変化

アプローチや手法により対応することが求められる。
我が国では、2021(令和 3)年に、孤独・孤立に至っても支援を求める声をあげやす
い環境整備、状況に合わせた切れ目のない相談支援の実施、見守り・交流の場や居場所を
確保し「つながり」を実感できる地域づくりの支援、官・民・NPO 法人などとの連携強
*7
を決定し、対策を進めていくことと
化を基本方針とした、
「孤独・孤立対策の重点計画」

している。また、2023(令和 5)年 5 月には、日常生活などで孤独を覚えたり、社会か
ら孤立していることにより心身に有害な状態にある方への支援などに関する取組みについ
て、その基本理念、国などの責務などについて定める「孤独・孤立対策推進法」が成立し
た。ここでは、「望まない孤独」の根絶を目標に、相談活動を実施している事例を紹介す
る。

コラム

「望まない孤独を根絶する」ため、信頼できる人に確実につな
がれる「いばしょ」をつくる(NPO 法人 あなたのいばしょ)

「望まない孤独を根絶するために必要なこと

されてきた若者こそ、支援すべき。」。それが

は、
「予防」
。転居、就職といったあらゆるライ

大空氏らの考えだ。

フイベントに伴い、誰もが孤独に陥りうること
が分かってきている。ちょっと苦しいな、頼り
たいなと思っている人にアプローチできれば、

「あなたのいばしょ」は、24 時間 365 日、

そこから色々な支援につなげられる。望まない

年齢や性別を問わず、誰でも無料・匿名で利

孤独には、長引いて重篤化する前の軽症のう

用できるチャット型相談窓口だ。

ちに対処することが大切だ。

。NPO 法人「あ

2022(令和 4)年の相談件数は約 30 万件

なたのいばしょ」の理事長、大空氏は言う。孤

で、1 日当たり約 1,000 件。そのうち 7 割が

独・孤立に悩む相談者にどう向き合っているの

29 歳以下の若者からだった。

か、
「あなたのいばしょ」の活動を紹介する。

孤独・孤立の現状

長引く新型コロナウイルス感染症禍の影響

により、孤独・孤立が社会問題として一層深

世界 25 か国に約 600 名の日本人ボラン
ティア相談員を抱え、最も相談が多い 22 時
から 6 時までの間は海外の相談員が対応す
る。これにより、全国規模のネット相談で唯
一、24 時間体制が可能になっている。

刻化している。全国の満 16 歳以上の 2 万人

対面のように名乗ることも顔を見せること

を対象に行った実態調査によると、孤独感が

も必要ない。電話のように声を出すことも周

「しばしばある・常にある」と回答した人の

囲を気にすることも必要ない。
「あなたのいば

割 合 は、30 歳 代、20 歳 代 の 順 で 高 か っ

しょ」にこれだけの相談が集まるのは、匿名

た*1。
「最も孤独を感じていながら置き去りに

のチャットという形式を取っているからこそ。

*1

*7

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活動内容

令和 5 年版

人々のつながりに関する基礎調査

2022(令和 4)年 12 月に「孤独・孤立対策の重点計画」を改定した。

厚生労働白書