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令和5年版厚生労働白書 全体版 (265 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

法律第 12 号)が成立し、遺骨収集が国の責務であること、2024(令和 6)年度までの期
間を遺骨収集の推進に関する施策の集中実施期間とすること等が定められた*9。また、同
法に基づき、
「戦没者の遺骨収集の推進に関する基本的な計画」(平成 28 年 5 月 31 日閣議
決定)が策定された。2016 年 11 月からは、同法に基づき指定された一般社団法人日本
戦没者遺骨収集推進協会とともに、官民一体となって戦没者の遺骨収集を実施している。
2019(令和元)年 12 月には、政府一体となって遺骨収集事業の取組みをより一層推進
するため、
「戦没者の遺骨収集事業の推進に関する関係省庁連絡会議」を開催し、「戦没者
遺骨収集推進戦略」
(以下「推進戦略」という。
)を決定した。
また、日本人ではない遺骨が収容された可能性が指摘されながら、適切な対応が行われ
てこなかった事例を受け、2020(令和 2)年 5 月に厚生労働省において「戦没者遺骨収

対応を行うこととした。
収集事業実施計画」の下で、国内外の新型コロナウイルスの感染状況や外務省が発出する
危険情報等を踏まえ、可能な範囲で事業を実施し、227 柱相当の遺骨の DNA 鑑定用の検
体を採取するとともに、121 柱の遺骨を収容した*10。
1 硫黄島及び沖縄における遺骨収集事業の実施
硫黄島では、戦没者約 2 万 1,900 人のうちい
まだ約 1 万 1,300 柱の遺骨が未収容であること
から、政府一体となって遺骨収集に取り組んで
おり、2013(平成 25)年 12 月に「硫黄島に

自立した生活の実現と暮らしの安心確保

2022(令和 4)年度は、推進戦略に基づき定めた「令和 4 年度における戦没者の遺骨

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ナンスの強化等を図るとともに、収容・鑑定の在り方を見直し、科学的な所見への適切な



集事業及び事業実施体制の抜本的な見直しについて」を取りまとめ、遺骨収集事業のガバ

係る遺骨収集帰還推進に関する関係省庁会議」
で決定された「硫黄島の滑走路地区等の遺骨収
集帰還に関する基本的方針」に基づき、2022
年度は、前年度に引き続き、滑走路地区東側半
面において面的なボーリングによる地下壕探査

硫黄島における遺骨収集事業

等を実施した。また、滑走路以外の地域においても遺骨や壕等の存在が推測される地点の
調査を継続して実施し、75 柱の遺骨を収容した。
また、沖縄においても、沖縄県や民間団体等と協力して遺骨収集を実施しており、
2022 年度は 46 柱の遺骨を収容した。
2 旧ソ連・モンゴル地域における遺骨収集事業の実施
約 57 万 5,000 人が強制抑留され、劣悪な環境のもと、長期にわたり過酷な強制労働に
従事させられ、約 5 万 5,000 人(うちモンゴル約 2,000 人)が死亡した旧ソ連・モンゴル
地域については、「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法」
(平成 22 年法律第 45
*9

このほか、関係行政機関の間で連携協力を図ること、厚生労働大臣が指定する法人が、戦没者の遺骨に関する情報収集や遺骨収集を行う
こと等が定められた。
* 10 2020 年 5 月の「戦没者遺骨収集事業及び事業実施体制の抜本的な見直しについて」に基づき、まずは遺骨の検体を持ち帰り、鑑定
結果と遺留品等を踏まえ、日本人か否かの判定(所属集団判定)を実施し、日本人と判定された遺骨については、検体以外の部位も収容
することとしている。

令和 5 年版

厚生労働白書

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