よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和5年版厚生労働白書 全体版 (67 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第1部

つながり・支え合いのある地域共生社会

(新制度での利用の仕組みは、保育の必要性と必要量を踏まえた利用決定などの点で、介
護保険法や障害者総合支援法の仕組みに接近している)
新制度下で保育所などの利用を希望する方は、居住市町村から「保育を必要とする事由」
準時間」認定または最長 8 時間の「保育短時間」認定)を受けた上で市町村に保育所など

結する。保育の必要性と必要量を客観的に認定した上でサービスの利用決定が行われる点
は、介護保険法や障害者総合支援法の仕組みに近接しているとみることができよう。
(子ども・子育て支援新制度と地域づくりを結ぶ地域子ども・子育て支援事業)
地域子ども・子育て支援事業は、介護保険法の地域支援事業、障害者総合支援法の地域
生活支援事業と並べて比較すると、補助金を使った予算事業による市町村支援という形態
から、法定事業と位置付けた上で裁量が高い交付金で地域の実情に応じた支援を行う形態
に移行し、地域づくりに役立てようとする傾向にある点で介護分野に類似している。

福祉制度の概要と複雑化する課題

要性の程度を踏まえ、利用調整を行う。利用先の決定後、利用者と保育所などが契約を締

2



の利用希望の申込みをする。市町村は申請者の希望、保育所などの状況に応じ、保育の必



に該当するとの保育認定(1 号~3 号認定)
、保育の必要量の認定(最長 11 時間の「保育標

第 3 章で後述する重層的支援体制整備事業は、この地域子ども・子育て支援事業の取組
みに幅を持たせる役割を担っている。
(“ こどもまんなか ” こども家庭庁の創設)
2023(令和 5)年 4 月には、常にこどもの視点に立ち、こどもの最善の利益を第一に
考え、こどもまんなか社会の実現に向けて専一に取り組む独立した行政組織として、こど
も家庭庁が創設された。こども家庭庁が司令塔となり政府が一丸となってこども施策に取
項番05
り組むこととなった。

コラム

こども家庭庁の設立・こども基本法の施行
こども家庭庁の設立・こども基本法の施行

創設の背景・必要性
創設の背景・必要性

こうした状況を踏まえ、常にこどもの最善
のこどもが、生涯にわたる人格形成の
我が国のこどもや若者に関する施策は、
我が国のこどもや若者に関する施 の利益を第一に考え、こどもに関する取組
基礎を築き、自立した個人としてひと
「少子化社会対策基本法」
「子ども・若者育成
策は、
「少子化社会対策基本法」
「子ど み・政策を我が国社会の真ん中に据えて、こ
しく健やかに成長することができ、こ
支援推進法」などに基づき、政府を挙げて各
も・若者育成支援推進法」などに基づ どもの視点で、こどもを取り巻くあらゆる環
どもの心身の状況、置かれている環境
き、政府を挙げて各種の施策に取り組 境を視野に入れ、こどもの権利を保障し、こ
等にかかわらず、その権利の擁護が図
種の施策に取り組むとともに、幼児教育・保
むとともに、
幼児教育・保育の無償化、
られ、将来にわたって幸福な生活を送
どもを誰一人取り残さず、健やかな成長を社
育の無償化、待機児童の解消に向けた取組
待機児童の解消に向けた取組み、高等 会全体で後押しする。そうしたこどもまんな
ることができる社会の実現を目指し、
み、高等教育の就学支援新制度の実施など、
教育の就学支援新制度の実施など、施
こども政策を総合的に推進すること
か社会を目指すための新たな司令塔として、
施策の充実を行ってきた。他方、児童虐待の
策の充実を行ってきた。他方、児童虐
を目的としている。
こども家庭庁を創設することとなった。
相談対応件数や不登校・ネットいじめの件数
待の相談対応件数や不登校・ネットい
また、同法においては、
「こども」を
が令和 2 年度には過去最多となるなど、こど
じめの件数が令和2年度には過去最
特定の年齢では区切らず、心身の発達
もや若者、家庭をめぐる様々な課題が深刻化
こども基本法の施行
多となるなど、こどもや若者、家庭を
の過程にある者と広く定義している。
しているとともに、社会全体の観点からは、
こども家庭庁の創設と併せて、こども施策
めぐる様々な課題が深刻化している
誰一人取り残さないというこども家
少子化が急速に進展しており、こども・子育
とともに、社会全体の観点からは、少 を社会全体で総合的かつ強力に実施していく
庭庁の基本理念の下、それぞれのこど
て政策の充実は待ったなしの先送りの許され
ための包括的な基本法として「こども基本
子化が急速に進展しており、こども・
もや若者の状況に応じて必要な支援
ない課題となっている。
4 月 1 日に施行された。同法
子育て政策の充実は待ったなしの先 法」が令和
が 18 歳や 5
20年歳といった特定の年齢で
送りの許されない課題となっている。
こうした状況を踏まえ、常にこども
の最善の利益を第一に考え、こどもに
関する取組み・政策を我が国社会の真
ん中に据えて、こどもの視点で、こど

途切れることなく行われ、思春期から
青年期・成人期への移行期にある若者
が必要な支援を受けることができ、若
令和 5 年版 厚生労働白書
者が円滑な社会生活を送ることがで
きるようになるまでを社会全体で支

53