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令和5年版厚生労働白書 全体版 (415 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

2 「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」について

2001(平成 13)年の熊本地裁判決を踏まえた補償法の成立・施行やハンセン病問題対

策協議会の開催、各種給与金の支給等の取組みにより、ハンセン病の元患者が受けた被害
の回復については一定の解決が図られていたが、元患者の名誉の回復、福祉の増進等に関
し、未解決の問題が残されていた。このような状況を踏まえ、これらの問題の解決の促進
に関して、必要な事項を定めた「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」(以下「促
進法」という。)が、2008(平成 20)年 6 月に議員立法により成立し、2009(平成 21)
年 4 月 1 日から施行された。
これにより「らい予防法の廃止に関する法律」は廃止され、促進法の下、①国立ハンセ
ン病療養所等における療養及び生活の保障、②社会復帰の支援並びに日常生活及び社会生
活の援助、③名誉の回復及び死没者の追悼、④親族に対する援護などに関する施策が実施
されることとなった。
また、2014(平成 26)年 11 月に促進法の一部が改正され、ハンセン病療養所退所者
給与金受給者の配偶者等の生活の安定等を図るための「特定配偶者等支援金」を 2015
さらに、2019(令和元)年 11 月には名誉の回復等の諸規定の対象に、ハンセン病の患
者であった者等の「家族」を対象として追加することなどを内容とする改正法が公布・施
行された。

3 ハンセン病の歴史に関する普及啓発の取組みについて

ハンセン病及びハンセン病問題対策の歴史に関する正しい知識の普及啓発として、

するとともに、厚生労働省等の主催で「ハンセン病問題に関するシンポジウム」を開催し

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ている。また、2009(平成 21)年度から、補償法の施行の日である 6 月 22 日を「らい



2002(平成 14)年度から中学生向けのパンフレットを作成し、全国の中学校などに配付

健康で安全な生活の確保

(平成 27)年 10 月から支給している。

予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」とし、厚生労働省主催の追悼、慰霊と名誉
回復の行事を実施している。2011(平成 23)年度には、厚生労働省玄関前に「らい予防
法による被害者の名誉回復及び追悼の碑」が建立され、追悼等の行事に併せて除幕式が執
り行われた。
国立ハンセン病資料館については、2007(平成 19)年の再オープン以来、①普及啓発
の拠点、②情報発信の拠点、③交流の拠点として位置づけ、ハンセン病及びハンセン病問
題の対策の歴史に関するより一層の普及啓発に向けた取組みを行っている。
また、ハンセン病に対する偏見・差別の早期かつ抜本的な解消が実現されるよう、普及
啓発活動の一環として、ハンセン病の患者に対する隔離政策の歴史において象徴的な施設
である重監房(特別病室)の一部を再現し、更なる啓発活動に資するため、群馬県草津町
に重監房資料館が整備され、2014(平成 26)年にオープンした。
2016(平成 28)年は「らい予防法」が廃止されてから 20 年という節目の年でもあり、
今後の普及啓発の在り方を検討するため「ハンセン病資料館等運営企画検討会」を開催
し、2017(平成 29)年 3 月に検討内容を提言として取りまとめた。
2019(令和元)年度からは、令和元年の家族訴訟熊本地裁判決及び総理談話を受け、

令和 5 年版

厚生労働白書

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