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令和5年版厚生労働白書 全体版 (114 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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図表 3-2-6

対人支援において求められるアプローチ

対人支援において今後求められるアプローチ

支援の“両輪”と考えられるアプローチ



具体的な課題解決を目指すアプローチ



3

つながり続けることを目指すアプローチ

 本人が有する特定の課題を解決することを目指す

 本人と支援者が継続的につながることを目指す

 それぞれの属性や課題に対応するための支援(現
金・現物給付)を重視することが多い

 暮らし全体と人生の時間軸をとらえ、本人と支援者
が継続的につながり関わるための相談支援(手続的
給付)を重視

「つながり・支え合い」のある地域共生社会の実現を目指して

 本人の抱える課題や必要な対応が明らかな場合に
は、特に有効

共通の基盤

 生きづらさの背景が明らかでない場合や、8050問
題など課題が複合化した場合、ライフステージの変
化に応じた柔軟な支援が必要な場合に、特に有効

本人を中心として、“伴走”する意識

個人が自律的な生を継続できるよう、本人の意向や取り巻く状況に合わせ、2つのアプローチ
を組み合わせていくことが必要。
資料:厚生労働省社会・援護局作成

(課題の深刻化を防ぐためには、アウトリーチが必要)
課題が深刻化してしまう原因として、本人や世帯が問題に気づいていない、どうすれば
よいか分からずに解決に向けた取組みになかなか着手できない、既存制度の窓口を知らな
い、相談に行くことに心理的な抵抗感がある、という場合などが考えられる。
例えば、ひきこもり状態の方は、第 2 章で紹介した意識調査においても、関係機関*6 を
利用したいと思わない者が、15~39 歳では 57.6%、40~64 歳では 50.0%となっている*7
(図表 3-2-7)
。また、
「誰にも相談したくない」という者も 20%以上いる(図表 3-2-8)

また、ヤングケアラーについては、
「世話をしている家族がいる」と回答した者のうち、
「自分はヤングケアラーにあてはまると思うか」との質問に対して「あてはまる」と回答
した者の割合は、中学 2 年生で 16.3%、全日制高校 2 年生で 15.0%、大学生で 26.7%に
とどまっており、本人にその自覚がないことなどが挙げられている。
潜在的な支援の必要性を早期に発見し、課題の深刻化を防ぐためには、本人からの申請
を受けて開始する支援(受動的な支援)に留まらず、積極的に支援が必要な方のいる場所
に出向いて働きかけるアウトリーチによる支援(能動的な支援)が求められる。複数の分
野にまたがる複合的な課題を抱えており自ら支援を求めることのできない方や、支援につ
ながることに拒否的な方などに対して、早期に支援を届けることが重要である。

*6

この調査では、関係機関とは、精神保健福祉センター、ひきこもり地域生活支援センター、発達障害者支援センター、子ども・若者総合
相談センター・教育相談所・相談室などの相談機関、児童相談所・福祉事務所などの児童福祉機関、教育支援センター(適応指導教室)、
青少年交流の家、青少年自然の家等、職業安定所(ハローワーク)・ジョブカフェ・地域若者サポートステーションなどの就労支援機関、
児童館、フリースクール(フリースペース)、通信制高校のサポート校、青少年センターや青少年プラザなど、若者の自主的な活動を支
援する施設、その他民間の機関(自然体験活動、学習支援、就労支援、ひきこもりの支援など若者育成支援を行う NPO など)が挙げら
れている。
* 7 「どちらかといえば利用したいと思わない」

「利用したいと思わない」の合計を指している。

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令和 5 年版

厚生労働白書