令和5年版厚生労働白書 全体版 (385 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
ため、①医薬品製造販売業者等に対する法令遵守体制整備の義務付け、②製造業者に対す
る無通告立入検査の強化、③行政処分基準の厳格化などの措置を講じた。今後も、後発医
薬品等の信頼回復に向けて必要な監視指導の強化など対応を継続していくこととしている。
5 薬剤師の資質向上と薬局機能の強化等
(1)薬剤師の資質向上
医療の高度化、医薬分業の進展などに伴う医薬品の適正使用の推進といった社会的要請
に応えるため、質の高い薬剤師が求められており、大学における薬学教育及び卒後の生涯
学習を充実させることにより、薬剤師の資質向上に努める必要がある。
質の高い薬剤師養成に向けて、大学における薬学教育については、臨床に係る実践的な
能力を培うことができるよう、2006(平成 18)年度から、修業年限を 4 年から 6 年に延
長し、6 年制課程を修めて卒業した者に薬剤師国家試験の受験資格を与えることとした。
また、2013(平成 25)年 12 月に薬学教育モデル・コア・カリキュラムが 6 年制課程
に特化した内容に改訂され、さらに、2023(令和 5)年 2 月に薬学教育モデル・コア・
カリキュラムが改訂され、2024(令和 6)年度入学生から適用することとされている。
な資質・能力」を提示し、課題の発見と解決を科学的に探究する人材の育成を目指す内容
とされた。また、各大学の創意・工夫に基づいたカリキュラム作成の自由度が高められた
ほか、多職種連携の推進の観点から医学・歯学・薬学の教育内容が一部共通化された。
加えて、薬学教育 6 年制課程が開始されてから、薬剤師に求められる役割が変化してい
ること等を踏まえ、2020(令和 2)年 7 月から「薬剤師の養成及び資質向上等に関する
検討会」にて、今後の薬剤師の養成や資質向上等に関する課題について検討し、2021
第
(令和 3)年 6 月に今後の薬剤師に求めるべき役割等についての提言をとりまとめた。
健康で安全な生活の確保
本改訂によるモデル・コア・カリキュラムでは、新たな「薬剤師として求められる基本的
8
章
(2)薬局機能の強化と患者本位の医薬分業の推進
薬局は、医療提供施設として、地域医療計画の下、在宅医療や医薬品などの供給を通じ
て地域医療に貢献することが期待されている。
また、処方箋を交付する医師とその処方箋に基づき調剤する薬剤師が、それぞれの専門
分野で業務を分担する医薬分業については、医薬品の適正使用の観点から、その推進に努
めている。2021(令和 3)年度の院外処方箋発行枚数は約 7.7 億枚に達し、処方箋受取率
は 75.3%(公益社団法人日本薬剤師会「処方箋受取率の推計」(2021 年度))と推計され
ている。
一方、規制改革推進会議等で、現状の薬局が
本来の医薬分業における役割やコストに見合う
サービスを提供できていないとの指摘がなされ
たことを踏まえ、2015 年(平成 27 年)10 月
23 日に「患者のための薬局ビジョン」を策定・
公表した。
「患者のための薬局ビジョン」の主な内容と
しては、かかりつけ薬剤師・薬局の機能として、
令和 5 年版
厚生労働白書
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