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令和5年版厚生労働白書 全体版 (416 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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ハンセン病の患者・元患者やその家族が置かれていた境遇を踏まえた人権啓発、人権教育
などの普及啓発活動の強化等に向け検討を進めるため、法務省、文部科学省も参画する
「ハンセン病に係る偏見差別の解消に向けた協議」を開催している。
2020(令和 2)年 12 月に開催した「ハンセン病に係る偏見差別の解消に向けた協議」
において、ハンセン病に対する偏見差別の現状とこれをもたらした要因の分析・解明、国
のこれまでの啓発活動の特徴と問題点の分析、偏見差別の解消のために必要な広報活動や
人権教育、差別事案への対処の在り方についての提言などを行うことを目的とした「ハン
セン病に係る偏見差別の解消のための施策検討会」を新たに開催することが決定され、
2021(令和 3)年度より、同検討会において議論が進められ、2023(令和 5)年 3 月に
報告書が取りまとめられた。

健康で安全な生活の確保

国立ハンセン病資料館

第 16 節

重監房資料館

カネミ油症患者に対する総合的な支援策の実施




8

カネミ油症事件は、1968(昭和 43)年 10 月、カネミ倉庫株式会社(以下「カネミ倉
庫」という。)製造のライスオイル(米ぬか油)中に、脱臭工程の熱媒体として用いられ
たカネクロール(ポリ塩化ビフェニル(PCB)やダイオキシン類の一種など)が混入し
たことを原因とする大規模な食中毒事件で、被害は、西日本を中心に広域に及んだ。
カネミ油症の患者への支援については、これまで、原因企業であるカネミ倉庫が医療費
等の支払を行ってきたが、政府としても油症治療研究班による研究・検診・相談事業の推
進やカネミ倉庫に対する政府所有米穀の保管委託を通じた支援を行ってきた。
2012(平成 24)年 8 月には、超党派の議員連盟等における新たな総合的な支援策を講
ずるべきとの意見を踏まえ、議員立法により「カネミ油症患者に関する施策の総合的な推
進に関する法律」(平成 24 年法律第 82 号)が成立し、この法律に基づいて、カネミ油症
患者の支援を行っていくこととなった(図表 8-16-1)。
同法やカネミ油症患者に関する施策の推進に関する基本的な指針(平成 24 年厚生労働
省・農林水産省告示第 2 号)に基づき、2012 年 12 月に油症診断基準が改定され、新たな
基準に基づき、344 名(2023(令和 5)年 3 月 31 日現在)がカネミ油症患者として認定
されている。また、2013(平成 25)年度からカネミ油症患者に対する健康実態調査を実
施し、毎年度調査に協力いただいた方々に健康調査支援金(19 万円)を支給している。
2015(平成 27)年 9 月には、カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法

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