令和5年版厚生労働白書 全体版 (268 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
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1945(昭和 20)年 8 月 9 日のソ連軍による対日参戦当時、中国の東北地方(旧満州地
区)や樺太に居住していた日本人の多くは、混乱の中で現地に残留を余儀なくされ、ある
いは肉親と離別し孤児となって現地の養父母に育てられたりした。厚生労働省では、こう
した中国残留邦人等の帰国支援や帰国後の自立支援を行っている。
(1)中国残留孤児の肉親調査
厚生労働省では、1975(昭和 50)年より、中国残留孤児の肉親調査を行っており、
2000(平成 12)年から、日中両国政府が孤児申立者、証言者から聞き取りを行い、報道
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章
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機関の協力により肉親を探す情報公開調査を行っている。これまで 2,818 名の孤児のう
ち、1,284 名の身元が判明した。
自立した生活の実現と暮らしの安心確保
(2)中国残留邦人等の帰国支援、自立支援
中国残留邦人等の永住帰国に当たっては、旅費や自立支度金を支給し、親族訪問や墓参
等の一時帰国を希望する者には、往復の旅費や滞在費を支給している。
永住帰国後は、中国残留邦人等や同行家族が円滑に社会生活を営むことができるよう、
首都圏中国帰国者支援・交流センターにおいて、定着促進のための日本語教育、生活指導
などを 6 か月間実施している*12。地域定着後は中国帰国者支援・交流センター(全国 7 か
所)で日本語学習支援などを行っている。
また、中国残留邦人等は、帰国が遅れ、老後の備えが不十分であるという特別な事情に
あることに鑑み、2008(平成 20)年 4 月から、老後生活の安定のため満額の老齢基礎年
金等を支給するとともに、世帯収入が一定基準を満たさない場合には支援給付を支給する
ほか、2014(平成 26)年 10 月からは、死亡した中国残留邦人等と労苦を共にしてきた
永住帰国前からの配偶者に対して配偶者支援金を支給している。
さらに、中国残留邦人等やその家族が地域社会でいきいきと暮らせるよう、地方自治体
が中心となって、日本語教室、自立支援通訳の派遣、地域交流などの事業や中国残留邦人
等の二世に対する就労支援事業を行っている。また、中国残留邦人等の高齢化に伴い、介
護需要が増加していることを踏まえ、中国残留邦人等が安心して介護サービスを受けられ
るよう、2017(平成 29)年度から、中国帰国者支援・交流センターにおいて、中国語等
による語りかけボランティアの派遣などを行っている。このほか、次世代へ中国残留邦人
等の体験と労苦を継承するため、証言映像公開及び戦後世代の語り部講話活動事業を行っ
ている。
第6節
旧優生保護法一時金支給法について
旧優生保護法(昭和 23 年法律第 156 号)は、1948(昭和 23)年に議員立法により制
* 12 国内唯一の宿泊研修施設であった「中国帰国者定着促進センター」は、建物の老朽化や帰国者の減少などを踏まえ、2015(平成
27)年度をもって閉所したが、2016(平成 28)年度からはその機能を「首都圏中国帰国者支援・交流センター」に統合し、同様の支
援を継続している。
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