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令和5年版厚生労働白書 全体版 (170 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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また、児童虐待の予防等を目的とした令和 4 年改正児童福祉法の円滑な施行を行うとと
もに、2023(令和 5)年 4 月に創設されたこども家庭庁を司令塔として関係省庁が連携
して取り組みを強化する必要があることから、
「児童虐待防止対策の更なる推進について」

子どもを産み育てやすい環境づくり

(2022 年 9 月 2 日児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議決定)において特に重点的に実
施する取組みを決定するとともに、同年 12 月、児童相談所の体制強化について「新たな
児童虐待防止対策体制総合強化プラン」
(2022 年 12 月 15 日児童虐待防止対策に関する関
係府省庁連絡会議決定)を策定した。同プランでは、これまで「児童虐待防止対策体制総
合強化プラン」
(2018(平成 30)年 12 月 18 日児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡
会議決定)に沿って行われてきた児童福祉司の増員等による体制強化の取組を更に進め、
2024 年度末までに児童福祉司を 6,850 人体制とする目標を設定し、体制強化に取り組む
こととされた。
また、民法における懲戒権に関する規定(民法第 822 条)が児童虐待を正当化する口
実になっているという指摘がなされてきたことを踏まえ、2022 年 12 月に「民法等の一
部を改正する法律」(令和 4 年法律第 102 号)が成立し、民法について親権者による懲戒
権の規定を削除するとともに、体罰等のこどもの心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす
言動を禁じる改正がなされた。児童福祉法及び児童虐待防止法についても、民法の新たな
規定ぶりに合わせる改正が行われ、体罰等によらない子育ての一層の推進が図られてい
る。
②児童相談所虐待対応ダイヤル「189」等について
児童虐待を受けたと思われるこどもを見つけた時などに、ためらわずに児童相談所に通
告・相談ができるように、2015(平成 27)年 7 月 1 日から、児童相談所全国共通ダイヤ
ルについて、これまでの 10 桁番号から 3 桁番号「189(いちはやく)」を運用している。
さらに、児童相談所につながるまでの時間短縮を進めるため、2016(平成 28)年 4 月に
音声ガイダンスの短縮や、2018 年 2 月に携帯電話等からの入電についてコールセンター
方式を導入した。また、2019(令和元)年 12 月には、
「児童相談所全国共通ダイヤル」
を「児童相談所虐待対応ダイヤル」と名称を変更のうえ無料化し、相談については「児童
相談所相談専用ダイヤル」を開設した。2021 年(令和 3 年)7 月には「児童相談所相談
専用ダイヤル」
(0120-189-783)も通話料の無料化を行い、利便性の向上を図った。
また、虐待防止のための SNS を活用した全国一元的な相談の受付体制の構築に向け、
2021 年度に、相談システムの設計・開発を行い、2023 年 2 月より本格的な運用を開始し
た。
③児童虐待による死亡事例等の検証について
児童虐待による死亡事例等について、2004(平成 16)年度より、社会保障審議会児童
部会の下に設置されている「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」におい
て、児童虐待による死亡事例等について分析・検証し、事例から明らかとなった問題点、
課題に対する具体的な対応策を提言として取りまとめており、2022 年 9 月には、「子ども
虐待による死亡事例等の検証結果等について(第 18 次報告)
」を取りまとめた。
第 18 次報告においては、心中以外の虐待死(47 例・49 人)では、0 歳児死亡が最も多

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