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令和5年版厚生労働白書 全体版 (301 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部



現下の政策課題への対応

7 章 国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

第1節

地域における医療・介護の総合的な確保の推進

1 医療及び介護の総合的な確保の意義

我が国の医療・介護の提供体制は、世界に冠たる国民皆保険を実現した医療保険制度及

び 2000(平成 12)年に創設され社会に定着した介護保険制度の下で、着実に整備されて
きた。一方、高齢化の進展に伴い疾病構造が変化し、これに併せて必要な医療・介護ニー
ズが変化するなど、医療・介護の提供体制を取り巻く環境は大きく変化している。
いわゆる団塊の世代が全て 75 歳以上となる 2025(令和 7)年にかけて、65 歳以上人
口、とりわけ 75 歳以上人口が急速に増加した後、2040(令和 22)年に向けてその増加
は緩やかになる一方で、既に減少に転じている生産年齢人口は、2025 年以降さらに減少
が加速する。
全国で見れば、65 歳以上人口は 2040 年を超えるまで、75 歳以上人口は 2050(令和
32)年を超えるまで増加が続くが、例えば、要介護認定率や 1 人当たり介護給付費が急
増する 85 歳以上人口は 2025 年まで 75 歳以上人口を上回る勢いで増加し、2035(令和
17)年頃まで一貫して増加する。また、外来患者数は 2025 年頃、入院患者数は 2040 年


頃、在宅患者数は 2040 年以降に最も多くなる。
る地域に分かれ、入院・外来・在宅それぞれの医療需要も、ピークを迎える見込みの年が
生産年齢人口が減少していく中で、急激に高齢化が進行する地域もあれば、高齢化が
ピークを越える地域もあるなど、人口構成の変化や医療及び介護需要の動向は地域ごとに
異なる。こうした地域の実情に応じた医療及び介護提供体制の確保を図っていくことが重
要である。その際、中山間地域や離島では、地理的要因によって医療や介護の資源が非常
に脆弱な地域も存在することに留意する必要がある。
また、求められる患者・利用者の医療・介護ニーズも変化している。高齢単身世帯が増
えるとともに、慢性疾患や複数の疾患を抱える患者、医療・介護の複合ニーズを有する患
者・利用者が増加しており、医療・介護の連携の必要性が高まっている。
特に、認知症への対応については、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を
持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人やその家族の視点を重視しながら共

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

地域ごとに異なる。

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一方で、都道府県や 2 次医療圏単位で見れば、65 歳以上人口が増加する地域と減少す

生と予防を車の両輪として施策を推進していく必要がある。
また、人口構造が変化していく中で、医療保険制度及び介護保険制度については、給付
と負担のバランスを図りつつ、両制度の持続可能性を確保していくことが重要である。
こうした中で、医療及び介護の提供体制については、サービスを利用する国民の視点に
立って、ニーズに見合ったサービスが切れ目なく、かつ、効率的に提供されているかどう
かという観点から再点検していく必要がある。また、高齢化が急速に進む都市部や人口が
減少する過疎地等といったそれぞれの地域の高齢化の実状に応じて、安心して暮らせる住

令和 5 年版

厚生労働白書

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