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令和5年版厚生労働白書 全体版 (429 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

の助け合い、教育が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」
の構築を目指すことを新たな理念として明確にした。
この報告書の内容を踏まえ、
「精神保健福祉法」の一部改正法案が 2017 年通常国会に
提出されたが、同法案は 2017 年 9 月の衆議院の解散に伴い廃案となった。
2018(平成 30)年 3 月には、精神障害のある人が退院後に円滑に地域生活に移行でき
るよう「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」を作成する
とともに、全国の地方公共団体で、措置入院の運用が適切に行われるよう、
「措置入院の
運用に関するガイドライン」を作成し都道府県知事等宛てに通知した。
また、精神保健指定医(以下「指定医」という。)の資質確保等の観点から、必要な実
務経験の見直しを実施し、2019(令和元)年 7 月からこれに沿って指定医の指定を行っ
ている。
2021 年 10 月から精神障害を有する方や精神保健上の課題を抱えた方が地域で安心し
て暮らせる精神保健医療福祉体制を実現するため、
「地域で安心して暮らせる精神保健医
療福祉体制の実現に向けた検討会」を実施し、身近な市町村等における相談支援体制の整
備に向けた取組や医療保護入院等の制度の見直し等について、2022 年 6 月に報告書がと
りまとめられた。
報告書を踏まえ、2022(令和 4)年臨時国会には、
「精神保健福祉法」の改正を含む改
正法案が提出され、
「障害者総合支援法等の一部を改正する法律」
(令和 4 年法律第 104 号)
ため、包括的な支援の確保を明確化するほか、権利擁護等の観点から、医療保護入院制度
の見直しや虐待防止のための取組、
「入院者訪問支援事業」の創設等について定められた。

3 こころの健康対策

うつ病が重症化する前に早期に治療を行うことができるよう、うつ病等に罹患している

者を早期に発見し適切に対応することが重要である。このため、一般内科医等、地域のか
かかりつけ医と精神科医の連携を強化し、円滑に精神科医療につながる仕組みづくりを進

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めるなど、うつ病の早期発見、早期治療が実施できる医療体制の充実を図っている。



かりつけ医や医師以外の保健福祉業務従事者に対する研修などを実施するとともに、一般

障害者支援の総合的な推進

が成立した。改正法においては、精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制を整備する

その他、各地方公共団体において、保健所、精神保健福祉センター等での精神疾患や心
の健康に関する相談、相談活動に従事する者の養成と技術の向上、精神保健に関する普及
啓発活動などにより、地域の実情に合った取組みを推進している。
一方、医療や福祉サービスにつながっていない段階からアウトリーチ(多職種チームに
よる訪問支援)を実施し、精神障害者等に対し支援を行うことや、薬剤のみの治療に頼ら
ない治療法である認知行動療法の普及を推進するなど、精神保健医療提供体制の充実と質
の向上を図っている。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、不安やストレス等の心の悩みを抱えた
国民の心のケアを行うため、精神保健福祉センター等において、相談内容に応じて、必要
な助言を行うとともに、適切な機関等につなぐ等の対応を行っている。
国家資格である公認心理師は、保健医療、福祉、教育等の分野において、心理学に関す
る専門的知識や技術をもって、心理に関する相談や助言、指導、心の健康に関する知識の

令和 5 年版

厚生労働白書

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