令和5年版厚生労働白書 全体版 (323 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
(2)高齢者医療を全世代で公平に支え合うための高齢者医療制度の見直し
1 後期高齢者医療制度における後期高齢者負担率の見直し
高齢者人口は 2040(令和 22)年をピークに増え続け、特に、2025(令和 7)年まで
に団塊の世代が全て後期高齢者となる。後期高齢者の保険料が、後期高齢者医療制度の創
設以来 1.2 倍の伸びに止まっているのに対し、現役世代の負担する支援金が 1.7 倍になっ
ている状況を踏まえ、現役世代の負担上昇の抑制を図りつつ、負担能力に応じて、全ての
世代で、増加する医療費を公平に支え合う仕組みが必要である。
このため、後期高齢者 1 人当たり保険料と現役世代 1 人当たり後期高齢者支援金の伸び
率が同じになるよう後期高齢者医療における高齢者の保険料負担割合を見直すこととし
た。
後期高齢者の保険料は、所得にかかわらず低所得の方も負担する定額部分(均等割)と
所得に応じて負担する定率部分(所得割)により賦課する仕組みであり、制度改正によ
る、2024(令和 6)年度からの新たな負担に関しては、
・均等割と所得割の比率を見直すことで、約 6 割の方(年金収入 153 万円相当以下の方)
については、制度改正に伴う負担の増加が生じないようにするとともに、
・さらに約 12%の方(年金収入 211 万円相当以下の方)についても、2024 年度は制度改
正に伴う負担の増加が生じないようにする
こととしている。
第
2 被用者保険における負担能力に応じた格差是正の強化
するため、前期高齢者の加入者数に応じて、保険者間で費用負担の調整(前期財政調整)
今般、世代間のみならず世代内でも負担能力に応じた仕組みを強化する観点から、被用
者保険者間では、現行の「加入者数に応じた調整」に加え、部分的(範囲は 1/3)に「報
酬水準に応じた調整」を 2024 年度から導入することとした。
こうした見直しや、高齢者負担率の見直しとあわせて、現役世代の負担をできる限り抑
制し、企業の賃上げ努力を促進する形で、健保組合等を対象として実施されている既存の
支援を見直すとともに、更なる支援を行うこととしている。
具体的には、
・高齢者医療運営円滑化等補助金について、賃上げ等により一定以上報酬水準が引き上
がった健康保険組合に対する補助を創設するなど、拠出金負担の更なる軽減
・健康保険組合連合会が実施する健保組合に対する高額医療交付金事業について、財政的
国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
を行っている。
7
章
前期高齢者の医療給付費負担については、前期高齢者の偏在による負担の不均衡を是正
支援の制度化を行うことによる事業規模の拡充
・特別負担調整への国費充当の拡大による、負担軽減対象となる保険者の範囲の拡大
を行うこととしている。
(3)医療保険制度の基盤強化等
1 都道府県医療費適正化計画の実効性確保のための見直し
今後も医療費の増加が見込まれる中で、持続可能な医療保険制度を構築するためには、
令和 5 年版
厚生労働白書
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