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令和5年版厚生労働白書 全体版 (157 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第1部

つながり・支え合いのある地域共生社会

る環境が整えば、居住地域の満足度が高まり、高齢や病気などの状態になっても、治療を
受けるなどしながら地域の担い手として活躍し続けられる可能性も考えられる。
厚生労働省では、情報通信機器を活用して、病理画像などを遠隔地の医療機関に伝送
し、専門医の診断・助言を得て適切に対応したり、地理的な理由などにより往診・通院が
困難な患者の方などに対して、テレビ電話などの機器を貸与して遠隔地からの診療支援を
行ったりするなどの遠隔医療の取組みについて、必要な機器などの補助を実施している。

医療・福祉、物流などの様々な分野を連携しながら、地域資源やデジタル技術を活用して社
会課題解決に向けた取組みを積み重ね活性化を図る地域を「デジ活」中山間地域として登録
する仕組みを開始し、2023(令和 5)年度から登録地域を公表することとしている。
「デジ活」中山間地域に対しては、関係省庁が活動のフォローアップや施策紹介などの
支援を行うこととしている。例えば、本章第 2 節で説明した重層的支援事業や、遠隔医療
関連施策、高齢者の見守り支援などについても、施策の紹介や申請相談などの支援をする
ことも考えられ得る。デジタルを活用しながら、農業などの地域の強みを活かした他分野
と連携することにより、より豊かな地域社会が形作られるだろう。
ここでは、地域に既に存在する互助をベースに、デジタルを活用しながら見守り合う仕
組みづくりに取り組んでいる事例について紹介する。

コラム

「互助× ICT」を活用した優しい地域社会を実現したい

「みまもりあいプロジェクト」一般社団法人セーフティネットリンケージ)

2021(令和 3)年に認知症を原因として

これだけの金額が交番に届けられるのは、我

警察に行方不明者届が出された者の数は

が国では、皆が互助の気持ちを高く持ってい

17,636 人である 。

るとともに、交番がそのプラットフォームと

*1

認知症の人が安全に外出できる地域の見守

して機能しているからと考えられる。SNL で

り体制づくりとともに、認知症の人が行方不

は、これをヒントに、「認知症の方及びその

明になった際に、早期発見・保護ができる捜

家族が地域で安心して暮らしていくために認

索ネットワークづくりや ICT を活用した捜索

知症の方が少しでも早く家族の元に帰れるよ

システムの普及が求められている。

うにしたい。」との強い理念の下、互助の気

ここでは、ICT の活用による認知症の方の
見守り・捜索システムを実現した一般社団法

持ちを ICT でサポートする「みまもりあいプ
ロジェクト」を積極的に推進している。

人セーフティネットリンケージ(本部:北海

具体的な取組みとしては、「みまもりあい

道札幌市。以下「SNL」という。
)の事例を

ス テ ッ カ ー( 緊 急 連 絡 ス テ ッ カ ー)」及び

紹介する。

「みまもりあいアプリ(地域共生支援アプリ)


見守りに関する取組みのきっかけ

3

「つながり・支え合い」のある地域共生社会の実現を目指して

中山間地域などの農山漁村において、基幹産業である農林水産業を軸として、教育・文化、



間地域の取組みを推進する)



(農林水産業とデジタル技術の活用により、地域づくりの活性化を目指す「デジ活」中山

がある。

2021(令和 3)年に、財布を落として交

番に届けられるなどした金額は 182 億円*2。
*1
*2

警察庁 「令和 3 年中における行方不明者の状況」
警察庁 『令和 4 年版警察白書』

令和 5 年版

厚生労働白書

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