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令和5年版厚生労働白書 全体版 (414 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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広島市・長崎市へ被爆建物の保存工事に対する補助、2018(平成 30)年度から被爆体験
の伝承者等の派遣事業を行う(2020(令和 2)年度から伝承者に加え被爆者本人も派遣
可能とする(拡充)
)とともに、2019(令和元)年度から被爆樹木への保存の支援を行っ
ている。2020 年度においては、75 年を契機として、より一層次世代への被爆の実相の継
承に資するため、広島・長崎で開催される平和祈念式典への国外の若者の招聘を支援し
た。
2021(令和 3)年 7 月の広島高裁判決及び同月に閣議決定された内閣総理大臣談話を
踏まえ、広島の「黒い雨」に遭った方を広く救済できるよう、2022(令和 4)年 3 月に
通知を発出し、同年 4 月から被爆者健康手帳の交付を開始した。

第 15 節

ハンセン病問題対策の推進

1 ハンセン病問題の経緯について
健康で安全な生活の確保



8

1996(平成 8)年 4 月に「らい予防法の廃止に関する法律」が施行され、入所者など

に対する必要な療養、社会復帰の支援などを実施してきた。その後、国を被告とした国家
賠償請求訴訟が熊本地裁などに提起され、2001(平成 13)年 5 月に熊本地方裁判所で原
告勝訴の判決が言い渡された。政府は控訴しないことを決定し、同月 25 日に「ハンセン
病問題の早期かつ全面的解決に向けての内閣総理大臣談話」を公表、同年 6 月 22 日に「ハ
ンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」
(以下「補償法」という。)
が公布・施行され、入所者などに対する補償を行うこととした。さらに、2006(平成
18)年 2 月に補償法が改正され、国外療養所の元入所者についても補償金を支給するこ
ととした。
その後も、厚生労働省と元患者の代表者等との間で、定期的に「ハンセン病問題対策協
議会」を開催し、名誉の回復や福祉の増進の措置などについて協議を行っている。
元患者の方々に対しては、裁判による和解金に加え、2002(平成 14)年度から、退所
者の生活基盤の確立を図るための「ハンセン病療養所退所者給与金」
、死没者の名誉回復
を図るための「国立ハンセン病療養所等死没者改葬費」
、2005(平成 17)年度から、裁
判上の和解が成立した入所歴のない元患者が平穏で安定した平均的水準の社会生活を営む
ことができるための「ハンセン病療養所非入所者給与金」の支給を行っている。
また、2016(平成 28)年、ハンセン病元患者の家族により、国の隔離政策による偏見
や差別の被害等に対する損害賠償を求める訴訟が熊本地方裁判所に提起され、2019(令
和元)年 6 月に熊本地方裁判所で原告勝訴の判決が言い渡された。
政府は控訴しないことを決定し、同年 7 月 12 日、
「ハンセン病家族国家賠償請求訴訟の
判決受入れに当たっての内閣総理大臣談話」
(以下「令和元年総理談話」という。
)を公表、
同年 11 月 22 日に、
「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」が公
布・施行され、元患者家族に対する家族補償金の支給を行っている。

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令和 5 年版

厚生労働白書