令和5年版厚生労働白書 全体版 (362 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
診を推進している。
我が国のがん検診受診率が諸外国に比べ低い状況にあることを踏まえ、受診率を 50%
以上とすることを第 1 期基本計画の個別目標とした。目標達成のため、2009(平成 21)
年より毎年 10 月を「がん検診受診率 50%達成に向けた集中キャンペーン月間」と定め、
この期間中に「がん検診 50%推進全国大会」を開催するなど、国民一人ひとりの行動を
検診受診につなげるための各種施策を展開しており、職域においても、
「がん対策推進企
業等連携事業」にてがん検診受診率の向上などを推進している。
第 3 期基本計画においても、がん検診受診率を 2022(令和 4)年度までに 50%、精密
検査受診率の目標値を 90%とし、各自治体の検診受診率向上のための支援として、ナッ
ジ理論を活用した国内外の先進事例をわかりやすく紹介した「受診率向上施策ハンドブッ
ク第 2 版」
(2019(平成 31)年 4 月)やがん検診のアクセシビリティ向上策等の実証事業
において有効と認められた受診勧奨策をまとめた「受診率向上施策ハンドブック(第 3
版)
」
(2023(令和 5)年 3 月)を公表している。また、2020(令和 2)年 3 月に、「がん
検診のあり方に関する検討会」において、がん検診の基本条件や検診受診の利益・不利益
健康で安全な生活の確保
第
2020 年に公表された「2019 年国民生活基礎調査」において、男性の肺がん検診の受
診率は 53.4%で目標値を達成している。その他のがん種については、いずれも目標値に
は到達していないものの、前回の 2016(平成 28)年調査に比べ検診受診率は上昇してい
る。一方で、精密検査受診率については、2019(令和元)年の地域保健・健康増進事業
報告によるといずれのがん種においても目標値を達成していない。
2023 年 3 月に策定した第 4 期基本計画ではがん検診受診率の目標を 50%から 60%へと
引き上げ、引き続き、受診率向上に向けた取組みなどを進めるとともに精密検査受診率
90%を目指し、がんの早期発見につなげる。
章
8
などについて行ってきた議論の中間整理を行った。
(3)がんゲノム医療の推進など
これまで、我が国では、罹患者の多いがん(大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、前立
腺がん及び肝・胆・膵のがん)を中心に、がん診療連携拠点病院(以下「拠点病院」とい
う。
)及び拠点病院のない空白の医療圏へのがん医療の均てん化のための地域がん診療病
院を指定し、手術療法、放射線療法、薬物療法などを効果的に組み合わせた集学的治療や
緩和ケアの提供、がん患者の病態に応じた適切な治療・ケアの普及を進めてきた。2022
(令和 4)年 8 月には、都道府県協議会の機能強化やがんリハビリテーションの体制整備
等のさらなるがん医療提供体制の充実、希少がん・難治がんや小児・AYA 世代、高齢者
のがん患者などのそれぞれの特性に応じた診療提供体制の整備を盛り込んだ整備指針を策
定した。2023(令和 5)年 4 月時点で、全国に 409 か所の拠点病院及び 47 か所の地域が
ん診療病院を指定している。
また、近年、ゲノム医療への期待が高まっていることから、我が国のがんゲノム医療が
患者・国民にとって有益なものとなるよう、公平かつ公正で持続可能な仕組みを構築する
ため、様々な取組みを行っている。ゲノム医療を必要とする患者が、全国どこにいても、
がんゲノム医療を受けられる体制を構築するため、2023 年 4 月時点でがんゲノム医療中
348
令和 5 年版
厚生労働白書